地球のエネルギー問題解決の切り札になる可能性が
1972年12月、アメリカはアポロ17号をもって「アポロ計画」を終了しました。
それから40数年間、月に行った人類はいません。
しかし、月が人類にとって魅力がなくなったわけではありません。
まず挙げられるのが、エネルギーや資源の問題です。地球上では通常のヘリウムの100万分の1しか存在しないヘリウム3という物質が、月の土壌には数十万トンあると推定されています。
ヘリウム3というのは、通常のヘリウム原子より軽い安定同位体のことで、核融合炉の燃料となる物質です。
ヘリウム3が1万トンあれば全人類の100年分のエネルギーがまかなえるといわれています。
月面でこのヘリウム3などで発電し、生み出された電力をレーザーなどに変換して地球に送電できる技術が確立されれば、安全で大量のエネルギーが得られると期待されています。
ほかにも月にはアルミニウム、チタン、鉄などが豊富にあり、月面でこれらを精製できれば、有益な素材をつくり出すことも可能でしょう。
次に挙げられるのが、地球の6分の1という重力の利用です。
そんな重力下で野菜を育てれば、地球上で育てるよりもはるかに大きく育つ可能性があります。
また、近未来のアドベンチャーとして重力脱出の旅が楽しめるようになるかもしれません。
人類のいまの技術レベルからすれば、月面基地の建設は十分に実現可能です。人類が永続的に繁栄していくための最初の足がかりとなるのが月かもしれません。
そしてそれは、近い将来かもしれないのです。
シリーズ累計220万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
図解シリーズは、右側に文章、左側に図解が乗っているので、本が苦手な人にも理解しやすい構造になっています。
図解シリーズには健康・実用だけでなく大人の学びなおしにぴったりな教養のテーマも。ぜひ手に取って確認してみてください!
気になる中身を少しだけ紹介①!「もし月がなかったら地球はどうなる?」
惑星と衛星がお互いにこれほど作用し合うのは、太陽系では地球と月だけと考えられています。そんな月がなかったら、海の満潮、干潮はもちろんのこと、地球はいまのような「命の惑星」ではなかった可能性があります。
たとえば、月の潮汐力は地球の自転スピードを遅くする作用をしています。もし月がなかったら、地球は1日8時間という猛烈なスピードで回転していたと考えられます。
そうであれば地表も海も大荒れの状態で、もし生命が誕生できたとしても、現在の人類のような進化は望めなかったでしょう。
もし月がなかったら、地球の自転軸は不規則に変化し、大規模な気候変動が起こっていたはず。このように唯一の衛星である月こそが、地球に生命の誕生をもたらしたと考えられるのです。
気になる中身を少しだけ紹介②!「宇宙の膨張は加速しているってホント?」
宇宙が膨張していることが明らかになったのは、1920年代のことです。いずれ膨張のスピードは落ち、やがて収縮していくのではないかと考えられていました。ところが、1998年。驚くべき発見がありました。それは宇宙の膨張は遅くなるどころか、加速しているというものでした。
さまざまな観測結果から、ダークエネルギーは水素やヘリウムなどの通常の物質の約18倍、ダークマターの約3倍存在すると考えられていますが、多くのことはわかっていません。しかし、このダークエネルギーが膨張する宇宙の未来に関わっていることは間違いありません。
最新の宇宙の姿についてくわしく知ろう
★地球は宇宙のどこにあるの?
★地球全体が氷に覆われていたってホント?
★太陽系にもっとも近い「地球型惑星」を発見!
★「月の海」に水はあるの?
などなど気になるタイトルが目白押し!
ほかにも「最新宇宙トピックス」など最新の情報をご紹介!
いかがでしたか?本書『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』を手にとって、お読みいただくことで、最新の宇宙の姿について知ってもらうだけでなく、日進月歩の天文学の面白さと、その魅力について知っていただければ、そしてまだまだ謎に満ちた宇宙に親しんでいただければ幸いです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一
地球は宇宙のどこにあるの? 太陽が巨大化するってホント? 宇宙はいくつもあるの? 素朴なギモンに即答.。宇宙のナゾに迫る! 地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、約50のテーマで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!
公開日:2022.10.16