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地球全体が氷に覆われていたってホント?【宇宙の話】

Text:渡部潤一

二酸化炭素が全球凍結のカギを握っていた

いまから22億2000万年前、そして7億年前と6億5000万年前、地球全体が厚さ1000メートルの氷に覆われるという厳しい氷河期があったという説が、有力になっています。

これが、「スノーボールアース仮説」です。地球凍結のきっかけとして挙げられるのが、大気中の二酸化炭素の減少です。

超大陸が分裂すると新しい海が生まれ、海は陸地を浸食してますます海洋部分を増やします。その海の水分が雨を生み、二酸化炭素を吸収します。

二酸化炭素が溶けた酸性の雨によって岩石中のカルシウムなどが溶け出し、やがて炭酸カルシウムとなって海に堆積(たいせき)します。

こうして、大気中の二酸化炭素が減少していったのですが、地球を温める温室効果ガスでもある二酸化炭素が急速に減少したことで、急激な寒冷化をもたらしたと考えられているのです。

氷床が極エリアから広がりはじめると、氷の白い色は海の暗い色に比べて、より多くの太陽エネルギーを反射してしまいます。

こうして気温が下がり、地球全体が凍りついてしまう「暴走冷却」につながったというわけです。

では、凍結した地球はどのようにしてふたたび温まったのでしょうか?

表面が完全に凍りついた地球でも、内部には決して冷えない液状金属の核があります。この地熱が海をじわじわと温め、氷の成長を押しとどめました。

また、火山が氷のなかから頭を突き出して活動を続けて微生物の命を守り、ふたたび地球を温めるための二酸化炭素を吐き出し続けたと考えられているのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、福島県生まれ。 1983年、東京大学理学部天文学科卒業、1987年、同大学院理学系研究科天文学専門課程博士課程中退。東京大学東京天文台を経て、現在、国立天文台副台長・教授。総合研究大学院大学教授。太陽系天体の 研究のかたわら最新の天文学の成果を講演、執筆などを通してやさしく伝えるなど幅広く活躍している。主な著書は、『最新 惑星入門』(朝日新書)、『面白いほど宇宙がわかる15の言の葉』(小学館101新書)など。


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