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宇宙エレベーターってどんな乗り物?【宇宙の話】

Text:渡部潤一

ロケットに代わる宇宙交通システム

現在の宇宙開発で主役の座にあるのがロケットです。しかし、人類にとって宇宙をさらに身近にするためには、ロケットに代わる新しい宇宙交通システムが必要になってきます。

そこで注目を集めているのが、「宇宙エレベーター(軌道エレベーター)」です。

そんなものはSFの世界での話だろうと思われるかもしれません。

しかし、1991年に鉄鋼の20倍の強度を持つ画期的な素材「カーボンナノチューブ」が開発されたことを機に、宇宙エレベーター構想についての議論が加速してきました。

なんと、日本の大林組の構想では2050年には完成を想定しているというのです。

そんな、宇宙エレベーターとは、どのようなものでしょう。

気象観測用衛星は、赤道上空の高度約3万6000キロメートルに打ち上げられ、地球が1回転するのと同じスピードで回るので止まっているように見えます。これが「静止衛星」です。

宇宙エレベーターとは、この静止衛星をターミナル駅として、カーボンナノチューブ製のケーブルで地上とつなぎ、そこにエレベーターをとりつけて地上と行き来できるようにしようというもの。

宇宙エレベーターには、ロケットと比べて墜落や爆発の危険が少ないと考えられていますし、大気汚染の心配もありません。

まだ構想段階の宇宙エレベーターですが、もし実現すれば、宇宙開発が大きく飛躍することは間違いありません。

そして、私たちが月や、もっと別の天体を訪れることも可能になるかもしれません。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、福島県生まれ。 1983年、東京大学理学部天文学科卒業、1987年、同大学院理学系研究科天文学専門課程博士課程中退。東京大学東京天文台を経て、現在、国立天文台副台長・教授。総合研究大学院大学教授。太陽系天体の 研究のかたわら最新の天文学の成果を講演、執筆などを通してやさしく伝えるなど幅広く活躍している。主な著書は、『最新 惑星入門』(朝日新書)、『面白いほど宇宙がわかる15の言の葉』(小学館101新書)など。


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