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木星にある縞模様はなに?【宇宙の話】

Text:渡部潤一

ジェット気流によってできた縞

木星は、太陽系最大の惑星です。93パーセントの水素と7パーセントのヘリウムから構成され、質量は地球のおよそ318倍もあります。

岩石と氷の微惑星によって形成されたコアを中心に持ち、そのコアの周囲に大量の水素をまとった構造だと考えられていますが、コアの推定値はモデルによって大きな差があります。

それは、木星内部の大部分を占めると予測されている水素に関して、高温・高圧の状態になった場合の密度の正確な値がわかっていないことが大きな要因です。

そのため、木星はコアが非常に小さいか、あるいはコアが存在しないかもしれないという可能性もあります。これにはまだ結論が出ていません。

木星の特徴といえば、表面の縞模様でしょう。

あの模様は、緯度帯ごとにジェット気流にそって東西方向が互い違いになっています。また、暗く見える縞では主に下降気流が、白く見える縞では上昇気流が発生しています。

これらの条件によってあの美しい模様ができているのです。

17世紀、ガリレオ・ガリレイによって木星の衛星が4つ発見されました。月以外の衛星が発見されたのははじめてのことだったので、それらの衛星は、「ガリレオ衛星」とも呼ばれています。

現在までに、木星の衛星は67個も発見されていますが、ガリレオ衛星と呼ばれるイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストは、月と同等かそれを上回る大きさを持っています。

1979年9月に打ち上げられたNASAの無人宇宙探査衛星「ボイジャー1号」によって、木星にもリングが存在することがわかりました。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、福島県生まれ。 1983年、東京大学理学部天文学科卒業、1987年、同大学院理学系研究科天文学専門課程博士課程中退。東京大学東京天文台を経て、現在、国立天文台副台長・教授。総合研究大学院大学教授。太陽系天体の 研究のかたわら最新の天文学の成果を講演、執筆などを通してやさしく伝えるなど幅広く活躍している。主な著書は、『最新 惑星入門』(朝日新書)、『面白いほど宇宙がわかる15の言の葉』(小学館101新書)など。


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