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科学的に説明ができる一夜漬けの勉強が身につかないのが当たり前のワケ【人体の不思議】

記憶は繰り返さないと長期記憶にならない

私たちは、日々いろいろなものを見たり聞いたり、考えたりしていますが、そのほとんどはしばらくすると忘れてしまいます。記憶には、覚えている時間の長さによって「短期記憶」と「長期記憶」があります。

数十秒から数分間の短い時間しか記憶できない記憶を「短期記憶」、それ以上保たもたれる記憶を「長期記憶」といいます。

短期記憶で一度に覚えることができるのは、7つのチャンク(かたまり)といわれます。短期記憶よりもさらに短い時間、一時的に操作しながら情報を脳にキープして処理する能力を「ワーキングメモリ」といい、これが覚えられるのは短期記憶よりもさらに少ない4個といわれています。

短期記憶は一時的に、大脳の奥にある「海馬」に保存されます。海馬は、目や耳などの感覚器から受け取る膨大な情報のうち、重要な情報だけを選んで大脳皮質へと送ります。

感情にかかわることは扁桃体に、体験による「エピソード記憶」は前頭葉に、知識などの「意味記憶」は側頭葉に、体の動きが伴ともなう「手続き記憶」は小脳や大脳基底核にと、それぞれの記憶は記憶の種類ごとに異なる部位に送られ、長期記憶となります。

長期記憶には記憶の①記銘、②保持、③定着、④想起という過程があり、一度保持された記憶は繰り返すことで定着し、何らかの刺激を受けることで思い出すことが可能になります。

記憶は、復習などを繰り返すことで定着するため、一度覚えただけではすぐに忘れてしまいます。一夜漬けの勉強が身につかないのはこのためです。

まずはしっかり睡眠をとって、記憶を脳に定着させましょう。何度も繰り返し覚えることで、脳に大切な情報だと判断させると、記憶に残りやすくなります。

出典:『図解 人体の不思議』監修/荻野剛志

【書誌情報】
『図解 人体の不思議』
監修:荻野剛志

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