自分で何を食べるか決め、栄養をバランスよく摂れる子が育つ!
親の手を離れたあとが危ない
アメリカやカナダでは、大学1年生になり親の手を離れると、肥満が増えるといわれています。*¹ユタ大学の博士らが行った研究によれば、分析対象となった125名の新入生のうち、約半数に体重の増加が見られたそうです。これは、行動がある程度自由になったことで、外食や偏食が増えた結果といえます。
子どもが巣立ったあとも健康な心身を保つためには、栄養についての知識や自炊する力を育てていくことが大切です。
まずは大人が知識を身につけて、日常の中で、子どもに食事や栄養バランスの重要性を伝えていきましょう。ごはんの彩りがいまいちというときに、「黄色が足りないね」「赤い食べ物、何かあるかな」など、親子の会話につなげるのもよいでしょう。
大人の栄養バランスも大切
子どもの栄養を整えたいのであれば、まず大人の栄養を見直してみましょう。自分は子どもの残りものをつまむだけになっていたり、忙しい日は食事を抜くのが習慣になったりしていないでしょうか?
最近、日本人の女性のやせすぎが問題視されています。「そんなことないわ、私太ってる」と思っていらっしゃるかもしれませんが、適正体重は(身長mの2乗)✕22です。BMIは(体重kg)÷(身長mの2乗)ですが、18.5未満はやせすぎです。やせていることが、むしろ将来糖尿柄のリスクになることもわかってきています。
日頃がんばっている自分へのごほうびとして、まずは自分の栄養をしっかり摂り、家族で食を楽しんでいきましょう。
栄養を整えられる子が育つ3つのポイント
1 食習慣や栄養バランスについて親子で一緒に考える
食卓を囲んだり、料理を手伝ってもらったりするときなど、機会を見つけて栄養の話をするとよいでしょう。小さい子なら、栄養や食事にまつわる絵本を読ませてあげるのもおすすめです。
2 大人の栄養を整える
大人がきちんと栄養を摂り、よい食事をしていれば、子どもの食事も自然と
整うもの。子ども優先で自分は適当に食事をすませていないか、余った料理をつい食べていないかなど、大人も自分の食事を見直してみましょう。
3 料理に参加させて自炊力を育てる
簡単なお手伝いから始めて、だんだん難しい作業を任せるようにするのもよいでしょう。高校生くらいになったら、1週間に1回、自分でお弁当をつくる日を設定するのを目標にしても。
*¹Nicole L. Mihalopoulos, Peggy Aninger, Jonathan D.Klein(2008)『TheFreshman 15: Is it Real?』
【出典】『小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事』著:工藤紀子
【書誌情報】
『小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事』
著:工藤紀子
子どもに栄養バランスのよい食事をいっぱい作ってあげたい、子どもには元気にすくすくと育ってほしいなどの思いに応えるため、子どもの体・脳・健康と成長をサポートするための知識やアイデアを紹介しています。「小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事」では、楽に楽しく安全にをモットーに、身近でさほど効果でない食材で食事の悩みを解決していきましょう。
公開日:2024.07.05