投げる
野球の華の1つに「速い球を投げること」があります。しかし、大事なのは「やみくも」に投げないことです。投手、捕手、内野手、外野手、どのポジションであっても目標に向かってコントロールよく「正確」に投げることこそ一番大事なのです。「正確」に「速い」球を投げることを心がけましょう。
スローイングの基本
野球をやり始めたばかりの子供と親がキャッチボールをすると、親は子供に正対して、そっとスナップスローで投げがち。それを見て、子供が真似をしてしまう。「スローイング」とは、軸足にしっかり体重をのせ、投げる方向にステップして、球を持った利き き腕を振ること。地面に「Tの字」を書く。❶最初は「短い線」に沿ってセットポジション時の投手板のように両足をそろえる。❷次に「長い線」の方向に左足をステップして投げる。
スローイングの投げ方
【1】セットポジション
ホームベースに対して90度の向き。ボールを体の前で保持して静止した状態から投げるのが「セットポジション」。
【2】左足を上げる
「軸足体重」が大事。右足に体重をしっかりのせる(練習では、左ヒザを直角に曲げ、右足体重で、3秒くらい止める意識で)。
【3】テークバック
左足着地。歩幅は肩幅の1・5倍(投手板の前縁から踏み出し位置まで約6足)、右ヒジは鋭角、肩以上の高さ。ボールは耳の近く(打撃の「割れ」と同じポジション)。
【4】リリース
投げる方向へ左足をステップ。相手の胸をめがけ、胸を張って、ヒジから出すイメージで。前に突っ込まない。
【5】体を回転スロー
【1】から、ヘソが90度回転して、捕手方向を向く。右腕は、左脇腹の方向に斜めに振る。グラブは左脇に抱え込む。体重移動、今度は左足にしっかり体重をのせる(練習では、左足に体重をのせ、右足を宙に浮かせたまま、3秒くらい止める意識で)。
【出典】『少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」』 著:井端弘和
【書誌情報】
『少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」』
著:井端弘和
侍JAPANの日本代表監督、井端弘和氏が指導する少年野球の基本的プレー解説書。野球の根幹になる「打つ」「走る」「投げる」「守る」の4つのプレーに関して、初級・中級・上級の難易度別にステップアップできるよう写真とイラストで丁寧に解説します。世界を代表する選手も、日本の部活でプレーする選手も、この4つの基本に関して特別違うことをするわけではありません。確実にプレーを習得しステップアップしていくことで、世界レベルの基本に迫れます。「教えて井端さん」の野球コラムも章ごとに掲載。少年野球をプレーする生徒、指導者にとって、基本を見直したり、知ってるようで知らなかったプレーを見直す、必読の一冊です。
公開日:2024.03.17