認知症の人は作り話を話してくる…混乱せずに一緒に楽しみ対処する方法とは!?【認知症の人に寄り添う・伝わる言葉かけ&接し方】

12:会話の場面|作り話をするとき

○エピソード

母と話をしていると、今までの経験からするとあり得ないような、突拍子もない話をしてきます。悪気があって嘘をついているとうにも見えないので、聞いている方は混乱してしまいます。

【対応1】間違いを指摘せず、「へえ……そうなんだね。うんうん」と受け入れる

明らかに事実と異なる突拍子もない話を聞くと、周りの人はびっくりするものです。これは、認知症のある人が自分のあいまいさを補いつじつまを合わせるため、自分の心を守るために紡ぐ「本人にとっての事実」です。誰かに嘘をつこうとか、バカにしとうとしているわけではありません。

そこを理解して、明らかに事実と異なる話でも、ひとまず話を聞きましょう。緊急な用事でなければ、話がズレていても大きな問題にはならないはずです。

ただし、危険なことや他人に悪越境を及ぼすことを話し続けているのなら、いったんそのまま話を聞きつつ、本人にも周囲にも安全な方向に徐々に着地させるようなはたらきかけが必要です。

【対応2】その世界に入り、一緒に楽しく会話してみる

あなたには作り話のように思える話も、本人はいたって真剣です。状況をうまく把握できなかったり、気持ちを整理できなかったりするために、作り話のようになっているだけなのです。

あなたが楽しく話を聞けるときだけでよいので、その話にのり、本人の世界に入り込んでみましょう。どんな世界か知ろうとするつもりで、バカにしたり面倒がったりせずに会話しましょう。

自分の世界を共有してくれる人がいると、人は安心し、居心地がよくポジティブな感情を持ちます。それは生活全体の質を向上・安定させます。

また、「こう見えているんだな」とあなたが感じることで、それ以外の生活で不可解だった本人の言動を理解するヒントになるかもしれません。

【出典】『認知症の人に寄り添う・伝わる言葉かけ&接し方』著:山川淳司 椎名淳一 加藤史子

【書誌情報】
『認知症の人に寄り添う・伝わる言葉かけ&接し方』
著:山川淳司 椎名淳一 加藤史子

認知症は、理解しにくい言動を引き起こす脳の病気です。家族が「どう言葉をかけたらいいんだろう」「どう接したらいいのかな」「とてもつらい」と感じることが多いでしょう。「認知症の人に寄り添う・伝わる言葉かけ&接し方」では、介護現場の専門家が日々の接し方や対応のヒントを提供し、プロの視点と方法で、家庭での介護が少しでもラクになるように、ご本人とともにかけがえのない日々を過ごしてほしいという願いが込められています。「認知症の人に寄り添う・伝わる言葉かけ&接し方」を活用して、実践してほしいと思います。今後のためにも読んでおきたいおすすめの一冊です。

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