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飛距離アップのために最適化すべきインパクトの入射角とは?【ゴルフ当たる!飛ばせる!スウィング解剖図鑑/奥嶋誠昭】

Text:奥嶋誠昭

飛距離のポテンシャルを高める方法③

メカニズムの最適化を考えてみる

距離を出すためのインパクトを追求する

飛ばそうとすると、強く叩きたくなります。そして、ボールを叩こうとすると、トップから早くヘッドをボールにぶつけるイメージになります。そのため、トップから一直線にヘッドを下ろしてボールにぶつけようとするパターンが多いようです。しかし、それでは飛ばないインパクトになります。上から急な角度でボールに当たるため、バックスピンがかかりすぎるからです。クラブが当たる角度(入射角)とボールが打ち出される角度がかけ離れているため、エネルギー効率が悪く、飛距離は伸びません。飛ぶインパクトとはどういう当て方かというと、ヘッドがボールに当たるときの動きの方向を、ボールを打ち出す方向に、できるかぎり近くしたインパクトです。エネルギー効率がよくなります。 しかも、フェース面を打ち出す向きに対してできるだけ立った状態にすると、バックスピン量が減ります。

これを実行するためには、まず、入射角を鈍角にすることが必要です。そのためには、ヘッドを最短距離で下ろすのではなく、P4からP5、P6まで手を体から遠い位置をキープして円を描くように下ろす。そして、ヘッドを遠回りさせて下ろすイメージを持つこと。遠回りさせている間に体がしっかりと回り、インパクトまでクラブを引っ張り続ける態勢が整います。ヘッドは低い位置に下りてきて、インパクトへは適正な入射角で入ってきます。手とヘッドが上がってきた道と「同じ道で戻す」と説明してきましたが、そのイメージが役に立つはずです。

さらには入射角をアッパーにするほうが飛距離は伸びるかもしれません。ボール初速に応じて、最大の飛距離を実現するための打ち出し角やバックスピン量は異なってきます。そうしたデータを確認しながらスイングを調整し、飛距離アップのために最適化していくこともできます。スイングのメカニズムを追求することで、飛距離は最大限に近づけるのです。そしてこの「入射角と打ち出し角度を近づけるとスピンが減る」という理屈が、次で説明するボールを曲げるメカニズムにも結びついてきます。

飛距離のポテンシャルを高める方法3『ゴルフ当たる!飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』

クラブがボールへ向かって動いてきた方向と、ボールが打ち出される方向のラインの角度が小さいほうが、エネルギー効率が高くなり、飛距離が出やすくなる。

出典:『ゴルフ当たる!飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』著/奥嶋誠昭

【レッスンプロ情報】
●奥嶋誠昭
1980年生まれ。ツアープロコーチ。アマチュアゴルファーからツアープロまで最先端機器を使ったバイオメカニクス(動作のコツを解析する)をもとに、ゴルファーの要望に合ったスイングづくりに定評がある。JGTOツアープレーヤー。2020―2021年国内女子ツアー賞金王、東京五輪銀メダリストの稲見萌寧など、数多くのトッププロ選手の指導実績を持つ。

【書誌情報】
『ゴルフ 当たる! 飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』
著者:奥嶋誠昭

スウィングづくりやスウィングレッスンをテーマとする多くのゴルフ書は、写真、動画などの映像を使ってスウィング時の身体の動きを解説する。
その見せ方では、手や足、身体の動きや動かし方は表現できても、例えば「インパクトを感じる手の感覚」「インパクト時の足の感覚」といった、スウィング時の身体が感じる感覚までは伝えづらい。そこで本書では、スウィングで体感する手や足の感覚をイラストでできる限り具体化し、読者にその感覚をつかんでもらい、スウィングづくりの向上を目指す。著者は、スウィングの解析システムを駆使し、プロ、アマ問わず多くのゴルファーのスウィングを分析している奥嶋誠昭プロ。同プロ独自のスウィング動作をイラストを通して解剖、図解化し、ゴルフスウィングの上達に役立てる。

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