体の捻転差を適正にするのが右ヒザ
スイング中の右ヒザの動きを見ていきましょう。まずはアドレスでの形ですが、バックスイングの動作を邪魔しないセットアップであれば、多少の個性は許容範囲ということが言えます。バックスイングは右への回旋運動ですが、このとき右のお尻を後方に引き上げる「ヒップバック」という動作が行われ、上半身では右の肩甲骨を背骨のほうに寄せて右肩を開く動作を行っています。この動作を阻害しなければ、右ヒザの曲がっている角度や向きは個性があってもいいということです。
大事なのは腰が45度、肩が90度回転するというバックスイングの形を作れるかどうかということで、これがやりにくいようなら改善が必要です。右ヒザが外を向き過ぎていれば腰はどこまでも回ってしまうでしょうし、内を向き過ぎていれば45度は回らないかもしれません。肩と腰の45度の捻転差を作りやすい右ヒザの状態ならいいわけです。
ただ右ヒザがピンと伸びてしまって、ベルトの位置が45度を大幅に超えるぐらい腰が回旋してしまうようなら制限をかけるべきです。この場合はアドレスの向きと角度をチェックして、バックスイングではその角度をキープするようにしてください。
ドライバーとアイアンでは異なる格好になる
切り返し以降の動作における右ヒザの役割ですが、これは左足の踏み込み動作と密接な関係があります。結論から言うと、切り返しの際、右足の延長線上が首の付け根に来るような姿勢になっている必要があり、その条件を満たす右ヒザのポジションが望ましいのです。
クラブを背負って右に回旋したとき、右ヒザが横にスライドして足と右ヒザのラインが垂直になった場合はどうでしょう。この姿勢だと左足を踏み込んでいけないことがわかると思います。つまりダウンスイングの動作に移行しにくい体勢なので、右ヒザのポジションとしてはNGということです。
切り返しの後、左サイドを後ろに引っ張っていく回旋運動が起こった段階では、右ヒザの役割としてはほぼ完了します。
インパクトからフォローにかけての右ヒザの動きは、ドライバーショットでは、左回旋を行いながらクラブをインサイドアウトに振るので、自然に右ヒザが伸びていきます。アイアイショットでは、左回旋を行いながらクラブをインサイドに振っていくので、右ヒザは自然に送り出されるような動きになります。このようにドライバーショットとアイアイショットでは、右ヒザは少し異なった格好になります。
【書誌情報】
『70台は楽に出る!「圧力系」インパクトの作り方』
著者:阿河徹
ボールがクラブフェースにきちんと当たる確率を高め、飛距離が十分出る― そんなスイングを実現するため著者ススメているのが「圧力系インパクト」。小さなバックスイングで強いインパクトを実現する。本書では、このインパクトの作り方を写真を数多く用いて解説。70台のスコアも可能にする、ゴルファー待望の一冊だ。
公開日:2019.12.15
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