非課税枠は売却すれば翌年に復活する
以前は消えていた使用済み枠が再利用可能に
旧NISAの一般NISA口座は、購入商品を売却した場合、その枠は再利用できませんでした。100万円で商品を購入、その株が値上がりしたところで売却したとします。100万円分は使用済みとなって、残りの20
万円分しか運用することができなかったのです。それが新NISAでは、一度使った非課税枠が復活するようになりました。
今回、新NISAで復活再利用が可能となった枠は、売却時の時価ではなく買ったときの金額(簿価)で計算されます。ただし、すぐに再利用できるわけではなく復活は翌年。1年間は売却した金額分を運用することはできないので注意が必要です。ともあれ投資枠いっぱいまで使っていても、一部を解約することで枠を空けられるようになり、柔軟な非課税投資枠の運用が可能となりました。お金がどうしても必要なときに必要なだけ商品を売却。その後余裕が出たところで投資すればいいのです。
なお、復活した枠を再利用するときにも年間限度額の制限はあります。枠がどれだけ空いたとしても、つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円の範囲内でしか商品を購入することはできません。
売却した分だけ枠を再利用できる
・非課税投資枠1800万円のうち1500万円分を保有
どうしても資産が必要になり、一部の売却を行う⇒
・保有していた商品のうち500万円分を売却
資産に余裕が出てきたので、積み立てを再開⇒
勝った時の額(簿価)が復活する。例は、買ったときの額と売る時の額(時価)が同じ500万円だと仮定。→さらに翌年使用可能→年間投資枠を超える分が復活するのはさらに翌年
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 新NISAの話』著:伊藤亮太
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 新NISAの話』
著:伊藤亮太
2024年1月、日本の少額投資非課税制度「NISA」が新しくなり、簡単に使えるように改善されました。この変更により、投資を始める人が急増し、NISA口座はすでに170万口座が開設されています。しかし、「投資はリスクがある」と感じ、利用に慎重な人も多いです。「眠れなくなるほど面白い 図解 新NISAの話」では、新NISAの基本的な仕組みや利用方法、資産運用の重要ポイントについて、初心者にも分かりやすく解説しています。新NISAを始めることで資産運用に役立つ情報を提供し、読者の将来のための手助けを目指しており、新NISAに興味を持っている方に読んでいただきたいおすすめの一冊です。
公開日:2024.09.09