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犯人の特定だけじゃない?!犯人の居住地などを推定する地理的プロファイリングとは?【図解 犯罪心理学】

Text:監修:越智啓太

犯人の居住地などを推定する地理的プロファイリング【図解 犯罪心理学】

犯人の拠点と犯行現場の関係性

プロファイリングは、犯行を行った人物の特定だけでなく、その居住地(拠点)や次の犯行地の推定にも使うことができます。それが、地理的プロファイリングです。こちらもリヴァプール方式と同じく、カンターによって開発されました。

この方法の基本的な考えは、連続犯罪の犯行地点を結ぶもっとも長い線を直径とした円を描いたとき、犯人の拠点はその中に存在するというものです。これを円仮説と言います。連続放火事件に関しては、約70%がこの仮説に当てはまるとされています。

この仮説の問題点は、探索しなければならない地点が広大になってしまうことです。そのため、犯人の拠点を推定することが重要になります。ここで用いられるのが、その円の中心に犯人の拠点があるとする円心仮説や、犯行地点の偏りを考慮した重心仮説などです。また、犯人は自身の拠点の周辺では事件を行わないとされています。このエリアをバッファゾーンと言います。つまり、犯行が行われるのは円仮説の範囲内で、かつバッファゾーンに含まれないドーナツ状のエリアということになります。

地理的プロファイリングでは、犯人の拠点特定に加え、次の犯行地点を予測することなども行われています。

犯人の居住地などを推定する地理的プロファイリング【図解 犯罪心理学】

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』
監修:越智啓太
監修者プロフィール
法政大学文学部心理学科教授。1965年、神奈川県横浜市生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科心理学専攻修了。警視庁科学捜査研究所研究員、東京家政大学文学部助教授、法政大学文学部准教授を経て2008年より現職。臨床心理士。専門は犯罪捜査への心理学の応用。著書に『犯罪捜査の心理学』(化学同人)、『ケースで学ぶ犯罪心理学』(北大路書房)ほか多数。

 昨今、様々な事件や特殊詐欺など凶悪な犯罪が増えており、ニュースで犯罪に関する情報を聞かない日はないといえます。誰もが利用するSNSを介した犯罪も当たり前になっており、より巧妙化しながら身近に潜む問題にもなっています。こうした問題や実態について研究し、犯罪予防や再犯防止に役立てようとするのが『犯罪心理学』です。
 犯罪心理学は、心理学の中でも実際の現場や実践に役立つことを目的とした“応用心理学”の1つで、特に犯罪行動・非行や犯罪者の心理・行動パターンに焦点を当てた研究分野です。専門書や教科書が多いジャンルですが、本書では図やイラストを用いて、1トピックを見開き1ページでわかりやすく解説。
“普通の人”が犯罪に手を出してしまう経緯、犯行内容から見える犯人像や周囲の環境、巧妙化する手口や防犯法など、知らなかった犯罪心理学を、楽しみながらもしっかりと学べる一冊です。

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