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「おやりいただけますか?」はいただけない!「お・ご+~になる」の正しい使い方とは!?【 頭がいい人の敬語の使い方】

Text:本郷陽二

「おやりいただけますか?」はいただけない

丁寧に話そうとするとき、 まず、「お」 や 「ご」をつけることを考える人は多いと 思います。実際、「最近、お仕事はいかがですか?」、「資料をご覧になりますか?」 など、「お」や「ご」はとても使いやすいのはたしか。しかし、場面によっては好感 度を下げてしまうことにもなりそうです。

社内で上司に何かをお願いするとき、こんな言い方をしたらどうでしょうか。

「先方との折衝は、課長におやりいただけますか?」

丁寧にするための「お」はついているし、「いただけますか?」も敬語として申し分なし。ですから、間違った敬語というわけではないのですが、聞く側の印象は決してよいものではありません。その原因はどこにあるのでしょうか。

こたえは、「やる」という言葉です。行動や行為を「する」という意味で日常的に使っている「やる」という語は、「私がやります」「やらせてください」という使い方をするぶんには違和感はありません。

しかし、上司や目上の人に対する敬語として使うと、礼を失するというところまではい かなくても、敬う気持ちが伝わらないという面があります。

「先方との折衝は課長にしていただけますか?」

「課長にお願いできますか?」

という言い方のほうが、敬語らしさは断然上です。次のような場面でも「やる」は好感 度を下げます。仕事相手との会話です。

「部長、最近ゴルフをおやりになってますか?今度ぜひご一緒させてください」

どうですか。やはり「おやりになる」が気になりますね。次の表現のほうが上です。

「部長、最近ゴルフをしていらっしゃいますか?今度ぜひご一緒させてください」

「部長、最近ゴルフをなさっていますか?」

こうして別の言い方と並べてみると、「おやりになる」の好感度の低さがよくわかるのではないでしょうか。

仕事の場面でもプライベートな人間関係の中でも、かなり頻繁に使う言葉だけに、 「やる」には注意が必要です。

「お・ご+~になる」の正しい使い方

「お・ご+~になる」は、尊敬語にあたります。「お」あるいは「ご」をつけて敬語にする場合にはルールがあり、「お名前」のように和語には「お」、「ご立派」のように漢語には「ご」が原則です。

【出典】『 頭がいい人の敬語の使い方』著:本郷陽二

【書籍情報】
『 頭がいい人の敬語の使い方』
著:本郷陽二

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