「面倒くさい」動線が子どものやる気を下げている①
子どもがラクに取り組める動線を考える
「子どもがなかなか宿題をしてくれない…」
という声は、本当によく耳にします。でもこれは、子どもの性格が原因ではなく、間取りと物の配置による、「面倒な動線」のせいかもしれません。たとえば
「ランドセルは子ども部屋に置いて、帽子はクローゼットにかけて、体操着は洗濯カゴに出して、宿題はリビングでやって…」
といわれたら、大人でも面倒くさくなってやる気が出なくなることがあります。子どもであればなおさらです。
この「面倒だなぁ」と思う気持ちが、子どものやる気を下げてしまいます。
まず、ランドセルが簡単にかたづけられる場所を用意するところから始めましょう。
ランドセル置き場の例
- リビングなどにランドセル専用の棚を用意する
- 学習机の横にぶら下げられるようにする
勉強部屋と勉強グッズは近い場所にする
子どもが勉強する場所と、教科書や勉強道具のある場所が、離れてはいませんか?
もし離れている場合、準備が面倒くさくなるので、子どもの勉強へのやる気がガクッと下がってしまうでしょう。
また、リビングで勉強することを好む子は、「困ったときにすぐ親に聞けるからラクでいい」と思っている傾向があります。それなのに、無理に子どもを部屋で勉強させてしまうと、親に聞きたくてもリビングまで移動するのが面倒くさくなり、勉強自体が続けられなくなってしまうかもしれません。
勉強もかたづけも、子どもに「面倒くさい」と思わせないように、動線を考えてあげましょう。そうすることで、上手にやる気を維持して行動できる子になりますよ。
勉強がしやすい部屋のポイント
- × ビジュアルの美しい部屋
- × 大人の視点から見た快適な部屋
- ◎ 勉強に必要なものが、すぐ手に取れる部屋
- ◎ 子どもにとって動線がラクな部屋
続かない原理は、大人のスポーツクラブと同じ
「面倒くさいとやらなくなる」という原理は、大人にも当てはまります。
たとえば、スポーツクラブを続けられない人は、運動が面倒なのではなく、「ウェアを用意して、移動して、受付でチェックして、運動して、シャワーを浴びて、着替えて、移動して、家に帰ったら洗濯して……やることがたくさんあって大変だ」と工程が面倒くさくて行かなくなってしまいませんか?
とくに子どもの場合は、理性が育っている途中なので、この「面倒くさいのは嫌だ」という気持ちがより顕著にあらわれます。
面倒だから自分から動かなくなるパターン
- 取りに行くのが面倒になるから、かたづけない
- ランドセルを取りやすいから、出しっぱなしにする
- 勉強道具を出すのが面倒なので、勉強する気が起きない
でも、このような子どもの行動は、ものの配置で変えることができます。
部屋の間取りに合わせて、何をどこに配置する子どもの動きがラクになるのか、様子をみながら調整しましょう。
【出典】『集中力 やる気 学力がアップする 頭のよい子が育つ家のしかけ』著:石田勝紀
【書誌情報】
『集中力 やる気 学力がアップする 頭のよい子が育つ家のしかけ』
著:石田勝紀
本書『頭のよい子の育て方』では、「頭のよい子」とは、単に学力や成績が優れた子どもを指すのではなく、その子自身の特性やタイプに応じた能力や個性が発揮されている状態を意味すると提案します。著者は、親として子どもの個性に合わせた育児の重要性を強調し、シンプルで無理のない生活環境を整えることが、子どもの健全な成長を促す鍵であると説いています。また、親の都合で育児を進めるのではなく、子どもの特性に合ったアプローチが必要であることを具体的な例を交えて解説しています。子どもの成長をサポートするための実践的なアドバイスが満載の一冊です。
公開日:2024.09.10