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ジャパン、敵地で「百獣の王」に善戦【二宮清純 スポーツの嵐】

Text:二宮清純

2023年ラグビーフランスW杯へ向けて

今でこそスポーツの国際大会に出場する日本チームは「代表」と名乗るのが一般的だが、昔は競技ごとに異なっていた。

たとえばバレーボールは「全日本」、ラグビーは「ジャパン」と名乗っていた。

では、なぜ「代表」に統一されたのか。それは早くから「代表」を名乗っていたサッカーの影響が大きい。

元号が昭和から平成にかわり、最も人気を博した競技はサッカーである。

それは平成年間のスポーツ中継視聴率の上位が、全てサッカーで占められていることからも明らかである。

1位・2002年日韓W杯(日本対ロシア戦)66.1%
2位・2002年同W杯(ドイツ対ブラジル戦)65.6%
3位・1998年フランスW杯(日本対クロアチア戦)60.9%

勢いのあるサッカーに“右へ倣え”するかたちで「代表」が通り相場になっていったのではないか。

だが、しかし――。その競技が歩んできた歴史や、それによって培われた伝統を踏まえればバレーボールは「全日本」、ラグビーは「ジャパン」のままでいいのではないか。全て「代表」で足並みを揃える必要はない、と個人的には考えている。

ジャパン大善戦――。

こう呼びたくなる試合があった。6月25日(現地時間)、スコットランドのエディンバラで行われたブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦でジャパンは10対28で敗れたものの、敵地にしっかりと成長の足跡を刻んだ。

ライオンズは4年に1度編成されるイングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの精鋭たちによるドリームチーム。

ラグビーファンにすれば、選手ひとりひとりにサイン帳を差し出したくなるようなチームだ。いわばラグビー界の“世界遺産”のようなチーム相手に前半こそ一方的にやられたものの、後半は10対7とスコアでも内容でも上回ったのだ。

ジャパンのボール支配率は前半が44%だったのに対し、後半は67%(ライオンズHP)。勝利を確信したライオンズがややペースダウンしたとはいえ、ジャパンの奮闘には目を見張るものがあった。

ライオンズ相手に歴史的なトライを奪ったフランカー姫野和樹はじめ、ジャパンには楽しみな選手がたくさんいる。

フランスW杯は2年後の2023年。その頃には、もうコロナの霧も晴れているだろう。既に気持ちは初戦が行われる南西部のまちトゥールーズに飛んでいる。

初出=週刊漫画ゴラク2021年7月16日発売号

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