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どうするPK戦!? カタールでの教訓【二宮清純 スポーツの嵐】

Text:二宮清純

先攻有利と言われるPK戦

 W杯優勝4回のドイツ、同1回のスペインを撃破、グループリーグを1位で通過した日本だが、またしても目標としていたベスト8には届かなかった。

 クロアチアとの決勝トーナメント1回戦、日本は前半43分に前田大然のゴールで先制したが、後半10分に追い付かれ、1対1のまま延長戦へ。そこでも決着は付かず、PK戦にもつれ込んだ。

 PK戦は後攻より先攻の方が有利と言われている。先にリードを奪えば、後攻のキッカーにプレッシャーがかかる、というのが、その理由だ。

 最初のコイントスの結果、日本人サポーターが多数陣取る側のゴールの使用が決定した。そして2度目のコイントスで吉田は先攻を選んだ。

 状況的に見れば、日本が有利だ。ところが1番手の南野拓実が放ったゴール右方向へのシュートは、コースが甘くクロアチアGKドミニク・リバコビッチに止められた。

 2番手の三笘薫は南野とは逆方向のゴール左を狙ったが、これも読まれていた。

 日本は3番手の浅野拓磨がやっと決めて1対2。クロアチアの3番手がポストに当て、首の皮一枚でつながったが、4番手吉田麻也の左方向へのシュートは体を投げ出したリバコビッチの腕の中へ。クロアチアの4番手がゴール左隅に蹴り込み、万事休した。

 吉田の左方向へのシュートは、東京五輪準々決勝のニュージーランド戦のPK戦で蹴ったコースと同じであり、吉田は「研究されていたかもしれない」と悔やんだ。

 PK戦は時の運である。失敗した選手を批判するのは間違っている。「勇気を持ってPKを蹴った選手を称えて欲しい」とは長友佑都のセリフだが、その通りだろう。

 しかし、日本サッカーが「新しい景色」を見たいのであれば、真剣にPK戦対策に取り組む必要がある。

 というのも、PK戦での敗退は、2010年南アフリカ大会に続き、今回が2度目。翻ってクロアチアはPK戦で今回も含め、4戦4勝だ。

 欧州では<PK戦が『宝くじ』であるという考えは事実上ナンセンス>(英ザ・テレグラフ)という考え方が今や主流だ。キッカーが自らのスキルを磨いたり、相手GKの特徴を分析することで、成功の確率を上げることができるというのである。

「勝つ確率を1%でも2%でもあげていきたい」

 試合前、森保一監督が必ず口にする言葉だが、その中には、より綿密なPK戦対策も含まれるべきなのだろう。

 PK戦を「運」の一言で片付けてはならない――。それがカタールで得た教訓だ。

※上部の写真はイメージです。
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