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アイアンは打てるのにドライバーは苦手な人の原因&改善法とは!?【100を切れない7つの理由・10の上達法/阿河徹】

Text:阿河徹

アイアンは得意だけどドライバーが苦手な人

クラブの軌道は上下進入角と左右進入角のコンビネーションで形成させると言いましたが、レッスンの現場でこの判断を見誤ってしまう場合があります。

たとえば映像解析をする際には飛球線後方からの映像が重要になってきますが、ダウンスイングでクラブのシャフトが肩口から立って入ってくると、アウトサイドからアタックしていると判断しがちなんです。しかし実際にはアウトサイドアタックではなくインサイドアタックであるという場合があって、言ってみればこれは診療ミスのようなものです。

もちろん命に別状はありませんが、アウトサイドアタックだという判断のもとに修正を加えても改善されないのは当然で、このパターンにはまってしまうとスイングが崩壊してしまう危険があるわけです。

そういうことのないように、私は「トラックマン」と言って、軍事用のレーダー式弾道追尾式システムを応用した弾道測定器を使っています。トラックマンは弾道だけでなくクラブの軌道も測定してくれるので、いま言ったような判断ミスが起きず、レッスンの現場での必需品となっています。

「アイアンは打てるけれどもドライバーが打てない」という人がよくいますが、軌道をトラックマンでチェックすると、過度のダウンブローになっていることがよくあります。

トラックマンでは上下入射角が数値で表示され、数値がマイナスだとダウンブロー、プラスだとアッパーブローだということです。100は切れるレベルではあるけれども、ドライバーがいまひとつ打てないというような人は、インサイドアタックができているにもかかわらず、上下進入角のマイナス数値が大きい、つまり極端なダウンブローになっているために、ドライバーが右に飛んでしまうという現象が起きてしまうのです。

クラブが極端に上から入りますから、ショートアイアンはうまく打てます。でも番手が大きくなると段々球が上がらなくなり、右に飛び出すようになります。ドライバーになるとその傾向が顕著になり、基本、球が上がらず、テンプラのミスがよく出る、うまく当たっても右に飛んでしまう、というようなことになります。

なぜ右に飛んでしまうかというと、クラブが鋭角に入っているために、スイングのベクトル自体が右に向いてしまうのです。これは上級者でも見落としがちなポイントで、スイングプレーンがターゲットにまっすぐでも、クラブの入射角がダウンブローだと軌道は右を向きます。

スイングプレーンとはスイング中にクラブが描く軌跡のことで、お皿のような形をしています。このお皿がターゲットにまっすぐ向いていれば、ボールもターゲットに飛ぶと思うでしょうが、実際はそうではないのです。

もちろんきっちり最下点でとらえればターゲットに飛ぶのですが、ダウンブローに入るとそれだけで軌道は右を向きます。逆にすくい上げると軌道は左を向くのです。

このことが現実のプレーでどういう影響を及ぼすかというと、多くのアマチュアはドライバーの軌道がアッパーなので、球は左に飛びます。ですから少し右を向いて打ったほうがターゲットに飛ばしやすいんですね。また、ショートアイアンはダウンブローに打ちますから、ピンに対してまっすぐ立つと、右に外してしまうことが多くなります。ですからショートアイアンは少しオープンスタンスにしたほうが結果がいい、ということを経験から学ぶわけです。

この経験則はなにも最近発見されたわけではなく、ベン・ホーガンは『モダン・ゴルフ』の中で「ショートアイアンほどオープンスタンス、ドライバーほどちょっとクローズドスタンスにする」と述べています。ホーガンの時代に解析機はありませんでしたが、いまになってその経験則は正しかったことが証明されているわけですね。

話を戻しましょう。アイアンは打てるけれどもドライバーが苦手な人が、どうすればよいかについてですが、過度なダウンブローが発生するのはダウンスイングで頭がターゲットの方向に突っ込んでしまうせいなので、頭の位置をコントロールすることで過度なダウンブローが改善されていきます。

基準となるのは両足の真ん中です。真ん中よりも左に頭が行ってしまうと軌道はダウンブローになりますので、真ん中よりも右にポジショニングしてください。最初はクラブを持たずにシャドウスイングしてみましょう。頭を両足の真ん中よりも右に置いたまま、両腕を9時の位置から4時の位置まで振ると、腕がなだらかな角度で入ってくるのがわかると思います。そのままクラブを持てば、過度なダウンブローが改善される可能性が高くなるというわけですね。

ここで注目すべきは「過度なダウンブローになっているから、もっとレベルに振ってください」と言ったところで、頭のポジションが左に突っ込んでいればできないということなんです。上から鋭角にクラブが入るのは何か理由があるわけで、それが頭の突っ込みである場合が多いということです。

またアドレスが原因の場合もあります。構えたときに右肩が前に出ている人も意外に多く、これもクラブが上から入る原因になります。右腕のラインが左腕よりもだいぶ前に出ているので、かなり不自然なアドレスではあるのですが、私の経験上、これを直すのはけっこう大変です。

「両腕の高さを同じか、やや右腕が低くなるぐらいにしてください」というのは簡単なのですが、それをやると本人はかなり気持ち悪いんですよ。

ですからその場合にはドライバーとアイアンでイメージを変えてもらいま
す。すなわち、アイアンは従来の構え方でOKにするんです。そしてドライバ
ーやフェアウェイウッドは右腕を低くして構えてもらいます。こうしてドライ
バーとアイアンで頭を切り替えてもらうと、ドライバーのときにクラブヘッド
が、低い位置から入ってくる感覚がつかめてきます。

このように、アドレスを整え頭の位置をコントロールすることで、上からぶつけるような過度なダウンブロー軌道を改善することができます。「アイアンは打てるけどドライバーが苦手なんだよな」という人は、試してみる価値があると思いますよ。

【書誌情報】
『100を切れない7つの理由・10の上達法 劇的に上手くなるスイングの作り方』
著者:阿河徹

なかなか上手くならないアマチュアゴルファーのスイングには、致命的な欠陥がある。そこで本書では、アマチュアのスイングの悪いクセを7つを解説。さらに、著者が「スイングの設計図」と呼ぶ、正しいスイングの動きをイラストでわかりやすく紹介する。そして、その基本の動きが身につき、上達に役立つ10のスイング・ドリルも公開する。スイングに悩んでいる人をはじめ、これからスイングを学ぶ人、基本を再度見直したい人も活用できる一冊である。