上達するかしないかは「当て方」次第
まず最初に、ゴルフが上達するために最も重要だと思われる要素の話から始めようと思います。
それは「当て方」という概念で、文字通り、クラブヘッドをどのようにボールに当てるかということです。
私は9時・4時スイングと言って、ダウンスイングでクラブのシャフトが、地面と平行な位置まで下りて来たポジションから、インパクトの後、時計の文字盤でいう4時の位置まで打ち抜く練習方法を多用していますが、それは、この範囲におけるクラブの動きが上級者とそうではない人を分類すると考えているからなのです。
おそらく、ゴルフを始めたばかりの人や、100を切ったぐらいの人、いや80台で回っている多くのゴルファーにとって「当て方」という概念はピンと来ないかもしれません。しかし、プロや上級者にとっては非常に大事な感覚で、実際のティーチングの現場でも、当て方について指摘すると、プロは「そこをわかってくれるのか」と嬉しそうな顔をします。
極端な話、クラブヘッドをどのように当ててもボールは飛んでいきます。しかし、どのようにヘッドとボールがコンタクトしているかで、スピードや打ち出し方向、スピンの量というものが変わってきます。上手な人はその効率がいいから上手いのであって、いつまでも上達しないような人は、ここを理解できていないから伸び悩むのです。
9時・4時スイングにおける体とクラブの動きが整っていなかったり、スイングのこの部分の技術を手に入れていないと、いくら他の部分の動きを変えてもスイングのレベルは向上しません。たとえば、完璧なトップオブスイングを作ったとしても、ヘンな当て方をしてしまったら弾道のクオリティは上がらないのです。本当の意味でゴルフが上手くなりたいのなら、まずそこを認識していただきたいと思います。
【書誌情報】
『「9時・4時スイング」でゴルフはすべて上手くいく』
著者:阿河徹
「9時・4時スイング」とは、時計の9時の位置から4時の位置まで動くスイングのこと。この範囲のクラブと体の動きが、ゴルフ上達のポイントであると著者は考えている。本書は、そのスイングをする際の体の動き、クラブの動きを写真を数多く使い細部にいたるまでわかりやすく解説。加えて、スイング中の体の動きが身につく練習ドリルも紹介している。「9時・4時スイング」でゴルフは劇的に変わる!
公開日:2021.06.02