軽めのクラブはヘッドスピードが上がるが、腕だけで振るのはNG
クラブのシャフトの特性で飛距離に影響を与える部分はシャフトの重さ、硬さ(フレックス)、ネジレの度合い(トルク)、キックポイントなどが考えられます。
シャフトの重さは、ヘッドスピードを上げることに大きく関係していて、シャフトが重すぎても軽すぎてもヘッドスピードは上がりません。 一般的には50~60グラムが目安で、ヘッドスピードの速いゴルファーはやや重めでも構いません。
シャフトの硬さに関しては、柔らかいほうからL、A、R、SR、S、Xの6種類あり、LとAは主に女性用です。フレックスは硬めですと、ボールのスピン量が少なく抑えられますからショットが曲がりにくくなりますが、ボールは上がりにくくなります。
逆に軟らかめのシャフトはスピン量が増えボールが上がりやすくなりますが、同時に曲がりやすくなります。ただし、これはシャフトの先端に装着されたクラブヘッドの重さとも関係があって、クラブヘッドが重ければ結果的にシャフトはしなりやすくなるのです。
クラブの総重量とフレックスのバランスを考えよう
そこで総重量を300~310グラムの中で考えるといいでしょう。この重さでシャフトが50~60グラムとすれば、クラブヘッドの重量は250~260グラムとなるので、そのクラブヘッドを装着した場合のフレックスということがいえます。
総重量は比較的軽めのほうが当然ヘッドスピードは上がりやすく、飛距離も出やすくなります。反面、ボールが曲がりやすく、腕によるタイミングは取りにくくなるので、各ゴルファーのスイングとの兼ね合いになりますが、スイングの中心が体幹部の回転にゆだねられていれば、軽めのクラブを速く振っても曲がりを少なく抑えられるでしょう。
つまり、軽く感じられるから腕に頼って速く振ろうとしないで、体幹を中心とした回転動作によって腕が勝手に速く振られるという感覚がマッチするのです。
次にシャフトのトルクですが、トルクは数値が大きいほどシャフトの横のネジレが大きくなります。ドライバーの場合、球を曲げたくなければ適正トルクは3・5以下ですが、数値が小さくなればなるほどスピン量が減るため、飛距離は出にくくなります。
しかし、トルクが大きすぎると横方向のスピン量が増えるため、球が曲がりやすいのです。ただし、これも腕でボールを叩かず、体幹の回転で振るスイングならば、大きめのトルクを使ってもショットの曲がりをおさえることができます。
シャフトのキックポイントとは、シャフトが一番しなるポイントのことで、以下の4つのタイプに分けられます。
「先調子」は手元が硬く、先端が柔らかいタイプで、手元が柔らかく先端が硬いタイプは「手元調子」です。そして手元も先端も硬いタイプは「中調子」で、両方柔らかいタイプが「ダブルキック」です。キックポイントが先端にあればスピン量を増やせますが、ヘッドスピードが速いゴルファーが振ると、打ち出し角度が高くなる上にスピンがかかりすぎてしまうのが難点です。
以上のことを考慮した上で、シャフトを選択するのがよいと思います。
【書誌情報】
『自己最速のヘッドスピードを叩き出すスイングの最終法則 筑波大学博士の飛ばし最強の教科書』
著者:/安藤秀 (筑波大学博士)
ゴルフでドライバーショットの飛距離が出る人たちの共通点は「ヘッドスピードが速い」ということ。そのため、ヘッドスピードを上げようと力にまかせてクラブを振っても、ヘッドスピードは思うようには上がらないことは多くのゴルファーが実感していることでしょう。 その理由は、ヘッドスピードの上げ方が間違っているということ。筋力や腕力がヘッドスピードを上げる決め手ではないのです。 この本では、ヘッドスピードを上げる重要な4つのポイントを明かします。具体的には、ダウンスイングの体の回転のタメ、ダウンスイングの腕の動きのタメ、フォロースルーのコック動作、フィニッシュの体幹部の逆ネジレのこと。 これらのポイントを写真を使いわかりやすく解説。さらに、ヘッドスピードのアップにつながる即効ドリルも数多く紹介。つらい筋力トレーニングではなく、ヘッドスピードを上げる4ポイントが身につく、クラブを使った練習法が数多く載っています。
公開日:2021.02.23