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飛距離を出すにはボールスピードを上げることが重要な理由とは!?【自己最速のヘッドスピードを叩き出すスイングの最終法則/安藤秀】

Text:安藤秀

ボールスピードにも着目して自分に合ったクラブを見つけよう

最後に「ボールスピード」について解説したいと思います。

飛ばしにはヘッドスピードを上げることが一番の近道ですが、近年ではボールスピードのほうに重点を置かれつつあります。ゴルファーのボールスピードとクラブのマッチングを考えた上で、ヘッドスピードをどう上げていくかという考え方が必要です。

もう一度ゴルフボールの歴史に触れますが、19世紀後半にゴムのボールが登場したことは、その後のゴルフ界に大きな影響を与える画期的な出来事でした。ただ、このボールは1層式構造で、それほど多くのスピンはかけられなかったのです。しかし次に進化系ともいえる2層式構造のボールが登場し、これ以後ボールにはより多くのスピンが与えられるようになりました。

やがてボールは3層式、4層式構造が登場して、さらに多くのスピンが与えられるようになり、ついにここでもスピンのかかりすぎという現象が起こるようになったのです。

そのために近年のボールは、ドライバーなどのショットでは内側の層でスピンを抑え、ウェッジなど多くのスピンを要するクラブのショットでは、外側の層がスピンを多くするという構造になっています。

そして製造時から比較的スピンが少なくなるボールと多くなるボールを分けて、ゴルファーが自分のヘッドスピードに合わせてボールを選ぶ時代となりました。

そのため、各ゴルファーが自分のドライバーのスピン量を2000~2500回転に調整して、中弾道低スピンショットを打つことが可能になったのです。

ボールスピードはクラブとの相性チェックの数値

最近よく取り上げられる「ボールスピード」とは打ち出されたボールの初速のことで、この速度はクラブシャフトがそのゴルファーのスイングに合っているかどうかを知るための目安となります。 

ヘッドスピードの測定には、ギアはあまり関係ないといえます。単に棒を振る速度と考えていただければわかりやすいでしょう。たとえギアによってヘッドスピードが変わるとしても、関係してくるのはクラブの総重量とヘッドの重さぐらいです。

しかし、ボールスピードは、その棒の先についているクラブヘッドでボールを打ったときに、どれぐらいの速度でボールが飛び出していくかという指標であり、ヘッドスピードの速いゴルファーの打ったボールの初速スピードが遅いとしたら、そのギアはそのゴルファーに適していないということになるのです。

この場合も打ち方の調整で多少の速度調整はできるものの、基本的にはシャフトの選択が間違っていると考える必要があります。つまりボールスピードは、ゴルファーのヘッドスピードに見合ったクラブを探すときに参考にしたい数値のひとつになります。

ここまで、いかにスピン量を調節して道具の面から行える飛距離アップの方法を説明してきました。

以上のように近年のテクノロジーの進化は、ゴルファー各自が自分のヘッドスピードを最大限に生かせる道具を選択できるようにしてくれたといえます。 

ヘッドスピードが速くないゴルファーでも、今の自分のヘッドスピードの中で最大限の飛距離を得られる道具が手に入れられるようになったのです。

しかしベースになるのはあくまでもヘッドスピードであり、自分に最適なクラブとボールを使った場合は、間違いなくヘッドスピードが速いゴルファーのほうが飛距離を出せるのです。


【書誌情報】
『自己最速のヘッドスピードを叩き出すスイングの最終法則 筑波大学博士の飛ばし最強の教科書』
著者:/安藤秀 (筑波大学博士)

ゴルフでドライバーショットの飛距離が出る人たちの共通点は「ヘッドスピードが速い」ということ。そのため、ヘッドスピードを上げようと力にまかせてクラブを振っても、ヘッドスピードは思うようには上がらないことは多くのゴルファーが実感していることでしょう。 その理由は、ヘッドスピードの上げ方が間違っているということ。筋力や腕力がヘッドスピードを上げる決め手ではないのです。 この本では、ヘッドスピードを上げる重要な4つのポイントを明かします。具体的には、ダウンスイングの体の回転のタメ、ダウンスイングの腕の動きのタメ、フォロースルーのコック動作、フィニッシュの体幹部の逆ネジレのこと。 これらのポイントを写真を使いわかりやすく解説。さらに、ヘッドスピードのアップにつながる即効ドリルも数多く紹介。つらい筋力トレーニングではなく、ヘッドスピードを上げる4ポイントが身につく、クラブを使った練習法が数多く載っています。