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能力や実力を存分に発揮する為の筋肉は骨格を動かす「道具」という考え方とは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

構造を理解することで動きを知る

●人間の身体はメカニカルにできている
自分が思うように動くためには、身体の動きを知ることが必要です。そして、そのとき重要なのは「構造を理解すること」です。解剖図を見て筋肉や関節の名称を知っていたとしても、実際にどのように動くかが理解できていなければ意味がありません。骨格に関して言えば、骨は単一方向だけに曲がるのではなく、関節面が曲がりやすいように回旋し、立体的に動かせるようになっています。

また、電車にたとえると、レールが「骨」、動力・モーターは「筋肉」、電車が動くことは「人の動作」に置き換えられます。電車には必ず始点と終点があり、レール上を往復運動しています。このとき、骨格は軌道、筋肉は動力であり、動かす際には切り替えポイント(関節)や、カーブを曲がるときのふくらみ(内側は短く、外側は長い)などが必要になります。

同様に、人間の身体もメカニカルにできています。ケガなどトラブルが起きた際も構造をしっかりと理解してさえいれば、組み立ての問題なのか、取り付け順序などの使われ方の問題なのか、カスタム化によって合わない運動連鎖が起きているのかなど、トラブルの原因を探ることができます。

●筋肉は緊張させずにゆるめるもの
筋肉の仕組みについて見てみると、筋肉は必ず対になっているという特徴があります。拮抗する、つまり向かい合って作用する筋肉があり、一方が縮んだことで、相対するもう一方の筋肉は関節の動きによって伸ばされます。

しかし、相対しているとはいえ、角度は微妙に違います。それが原因で関節に癖が生まれてしまうと、トレーニングをするほど筋肉を緊張させてしまうので、結果として筋肉を痛めてしまいかねません。また、関節を動かしたから癖が修正されるとは限りません。「筋肉は緊張させずにゆるめるもの」なのです。

能力や実力を存分に発揮することを最優先するのなら、適切な筋肉量と骨格の正しい状態を維持し、その上で骨格の動きを十分に引き出すための、緊張せずよくゆるみ、よく縮む筋肉があるべきです。つまり、骨格と筋肉の関係は、筋肉は骨格を動かす「道具」でしかないという考え方です。


【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!

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