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4スタンス理論における陸上競技[短距離]での効率的なスタートの切り方とは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

陸上競技[短距離]競技別解説

体幹部の素早い空間移動

「手足をいかに速く動かすか」という点が重視されがちな短距離ですが、競技の目的は「体幹部を素早く空間移動させること」です。胸郭付近に設定されたゴールテープを切るのは体幹部ですから、体幹部をいかに速く移動させるかを考えなければなりません。そのための移動手段となるのが手足であり、頭と体幹部、そして手足をどうコーディネートしてセットアップするかが速く走るためのカギを握ります。つまり、より速く移動するために重要なのは自分に合ったセットアップと、スタート動作です。スタートは確実に自分の意思で変えることができるため、脚力が変わらなくても効率的なスタート動作をすることができれば、加速度がついてタイムを縮めることができるのです。

具体的には、頭蓋平面を維持して安定したスタート姿勢をとるのはもちろんのこと、「スターティングブロックが1歩目である」という捉え方も重要です。スターティングブロックをゼロポジションだと思っていると身体は完全に出遅れてしまうため、スターティングブロックにセットした時点で1歩を踏み出しているという認識を持たなければならないのです。スタートで適切な姿勢を作ることで、手足と体幹が一体となり、1歩目からスムーズに面の入れ替えを行うことができます。タイプによって違いがありますから、自分に合ったスタートを体得することも必要です。

競技の起源

陸上競技の起源は紀元前9世紀頃まで遡る。紀元前776年、古代ギリシャで競技会として記録に残る最古の大会「第1回古代オリンピック」において、「スタディオン走」が行われた。「スタディオン」とは「スタジアム=競技場」のことで、1スタディオン=約198mの直線を競走したという。これが現代の短距離走の原点となった。

スタートの切り方

手足と体幹を連動させるのがポイントになる。

【A1】前足軸で腕の振りを強調する
「スタート」の合図で前足を中心にスターティングブロックを蹴り、腕を前後に強調しながら後ろ足を素早く着く。スターティングブロックを蹴る動作と腕を振る動作を一瞬で行うことで、キレのあるスタートになる。

【A2】前足軸で両肩を引き上げる
「スタート」の合図で前足を中心にスターティングブロックを蹴り、腕を前後に強調しながら後ろ足を素早く着く。スターティングブロックを蹴る動作と腕を振る動作を一瞬で行うことで、キレのあるスタートになる。

【B1】後ろ足軸で両肘を後方に振り上げる
「スタート」の合図で後ろ足でスターティングブロックを蹴り、両肘を後方に振り上げて体幹を後に押し出す。スターティングブロックを蹴る動作と両肘で体幹(仙骨)を前に押し出す動作を力強く行うことで、効率的なスタートが行える。

【B2】後ろ足軸で腕の振りを強調する
「スタート」の合図で後ろ足でスターティングブロックを蹴り、腕を前後に振りながら後ろ足と反対側の腕を前に送り出す。スターティングブロックを蹴る動作と腕を振る動作を力強く行うことで、首の付け根(胸骨上部)が前方に推進され、効率的なスタートが行える。

【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!