がんのステージって何?【病理学の話】

がんの大きさや転移状況を数値で表す
がんの進行具合を段階的に分けたものを「病期分類」または「ステージ分類」といいます。基本的には、がんの大きさと広がりによって分類しますが、臓器や組織によって分類方法が違います。
代表的なものは、国際対がん連合(UICC)の定めた「TNM分類」です。がんの広がり・深さ(T=tumor)、リンパ節への転移と広がり(N=node)、ほかの臓器への転移(M=metastasis)の頭文字をとっています。この3つの要素を組み合わせて、0期〜IV期(ステージ0〜IV)の5段階に分けています。
IV期に近いほど進行しているがんということになります。
このTNM分類によって集められた日本のみならず世界中の患者さんたちのさまざまなデータは、術後の治療法の選択などに役立てられるのはもちろん、統計データとしても蓄積されて、次の世代の患者さんの診断や、その時点での最も効果的と考えられる治療方法の選択、今後の経過や予後の予測にも役立てられることになります。
しかし、数値データというものは、見た目の判定も含めて、必ずあいまいさはあります。
でこぼこした腫瘍は計る場所によって誤差が出ますし、手術で切り出した腫瘍の断面も、面が変われば直径も簡単に変わってきます。
したがって、検体検査結果を判読する場合、結果はファジーなものとして常に意識しなければなりません。分類を絶対とは考えず、病理医は参考データとして重要視するのです。
それでも、総数が増えれば統計上、偶然生じた差ではないという確認(有意差検定)ができるわけで、根拠のない結果が導き出されるという心配はありません。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 病理学の話』
著:志賀 貢
シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「病理学」について切りこんだした一冊。病理学とは「病(気の)理(ことわり)」の字のごとく、「人間の病気のしくみ」です。コロナウイルスが蔓延する中で、人はどのようにして病気になるのかが、改めて注目されています。細胞や血液、代謝や炎症、腫瘍、がん、遺伝子などと、人体のしくみ・器官、食事を含む生活、加齢などさまさまな環境との関連から、「病気」を解明するもの。専門書が多いなか、病気とその原因をわかりやすく図解した、身近な知識となる1冊です。
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