死に至る病に直結するストレス
血圧は心の状態が大きく影響されるため、終始ストレスにさらされる仕事中は、健康な人でも10mmhgほど上がることが多いです。これは「職場高血圧」といわれる隠れ高血圧の1つです。知らず知らずのうちに血圧が高い状態が続き、血管は次第にかたくなってもろくなります。そこに強いストレスや怒りを感じると、自律神経(交感神経)が血管をぎゅっと締め上げ、血圧が急上昇。脳出血や急性大動脈解離などを引き起こし、場合によっては死に直面してしまいます。
また、血液中にストレスホルモンが増えると血液が凝固しやすくなり、「血栓」と呼ばれる血のかたまりができることも。血栓が肺の血管に詰まれば肺塞栓症、同じことが脳で起きれば脳梗塞、心臓ならば心筋梗塞を発症します。日本人の死因トップであるがんは、細胞分裂するときに起こる細胞のコピーミスが原因です。そのほとんどは小さなうちに免疫細胞が退治していますが、ストレスによって免疫力が低下すると、免疫細胞の攻撃をすり抜けたがん細胞が増殖してがんになってしまうのです。
出典:『専門家がしっかり教える 健康図解 毒出し』工藤孝文
【書誌情報】
『専門家がしっかり教える 健康図解 毒出し』
工藤 孝文
本書ではこころやカラダの健康法などで数々の著書を持つ、健康の専門家である医師による、誰でも簡単にできる“毒出し法”を紹介します。病院で調べても原因がわからない『メンタルから来る体の不調』、内臓脂肪、コレステロール、血糖値、高血圧といった『生活習慣から来る体の不調』など、『こころ』と『からだ』両方の原因による不調の解消法をたっぷり掲載します。自律神経の乱れやうつのような症状を感じている人にはこころの毒出しになる、『飲むだけで安眠をもたらす飲み物』や『自律神経が整う食べ物』など、誰でもできるストレス解消法を掲載します。
公開日:2023.04.07