動脈硬化や脂肪肝、急性膵炎のリスク
血液検査の項目を見ると、HDLコレステロールやLDLコレステロールと並んで、「中性脂肪(TG)」という数値があります。中性脂肪は、体を動かす重要なエネルギー源で、余った分は肝臓で蓄えられ、エネルギーが不足したときに使われます。ただ、多くなり過ぎると、肥満をはじめ様々な生活習慣病を招くことになります。
中性脂肪の増えすぎは、消費するエネルギー以上に食べてしまうのが原因。食品から吸収するほか、使われずに余った脂質や糖質も肝臓に送られて中性脂肪に合成され、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられるのです。厚生労働省による令和元年の国民健康・栄養調査では、40~50代の男性の半数以上が基準値を超え、40代までは比較的少ない女性も閉経後に増えているという結果が出ています。
中性脂肪が増えるとHDLが減ることがわかっています。通常バランスよく保たれているHDLとLDLですが、バランスが崩れると血管がダメージを受け、動脈硬化を引き起こしやすい状態に。また、中性脂肪が肝臓にたまり過ぎると脂肪肝になり、生活習慣病のリスクが高まってしまいます。
出典:『専門家がしっかり教える 健康図解 毒出し』工藤孝文
【書誌情報】
『専門家がしっかり教える 健康図解 毒出し』
工藤 孝文
本書ではこころやカラダの健康法などで数々の著書を持つ、健康の専門家である医師による、誰でも簡単にできる“毒出し法”を紹介します。病院で調べても原因がわからない『メンタルから来る体の不調』、内臓脂肪、コレステロール、血糖値、高血圧といった『生活習慣から来る体の不調』など、『こころ』と『からだ』両方の原因による不調の解消法をたっぷり掲載します。自律神経の乱れやうつのような症状を感じている人にはこころの毒出しになる、『飲むだけで安眠をもたらす飲み物』や『自律神経が整う食べ物』など、誰でもできるストレス解消法を掲載します。
公開日:2023.04.30