過度なダイエットで「低栄養性脂肪肝」に
糖質のとり過ぎで脂肪肝になるなら、全く糖質をとらないほうがよいのでしょうか? 実は、糖質を厳しく制限するような過度なダイエットをすると、逆に脂肪肝を招いてしまうことがわかっています。それが「低栄養性脂肪肝」です。
例えば、ほとんど糖質を摂取しないような食生活を送っていると、エネルギー源として肝臓に蓄えられている中性脂肪が極端に減ってしまいます。私たちは通常、少しくらい食事を抜いても活動できますが、それは体内の中性脂肪がエネルギー不足を補ってくれるから。
つまり、中性脂肪は重要な非常用のエネルギーなのです。それが不足すると体が飢餓状態だと勘違いし、体を守ろうとして体中の中性脂肪を肝臓に送るように働きかけます。その結果、肝臓に全身の脂肪が集まり脂肪肝になるのです。また最近の研究では、たんぱく質が不足するとホルモンバランスが崩れ、栄養素を代謝する機能が低下し、脂肪をため込みやすい体になるということもわかってきました。まだ完全に解明されたわけではありませんが、極端な食事制限が脂肪肝の原因となることは間違いありません。
理想的な食事のとり方については、脂肪肝を改善してやせるためにはバランスのとれた食事を適量とることが大切です。むやみに糖質や食事量を減らす行為は、かえって健康を害する恐れがあります。
出典:『1週間で勝手に痩せていく体になるすごい方法』著/栗原毅
【書誌情報】
『1週間で勝手に痩せていく体になるすごい方法』
著:栗原毅
世の中には筋トレ法や痩せる食事術などもたくさんありますが、「なかなか長続きしない」「何をやっても痩せない…」という声も多くあります。それは、頑張って続けていてもすぐに結果が出ないものが多い、ということに加え、過度な食事制限によるストレスで一度爆発してしまうとそれ以降は元の食事に戻ってしまう、といった理由が挙げられます。そんな痩せたいけどなかなか結果がでない……という人に向けて40年以上脂肪肝などの内臓脂肪を研究してきた名医が考案した全く新しい『自動痩せプログラム』を紹介します。そもそも人間がなかなか痩せない最大の理由は『脂肪肝』にあります。人間が痩せるために必要な『代謝機能』を司るのが肝臓ですが、そこに脂肪がたっぷり付いた脂肪肝になると肝臓の機能は半減し、結果として糖などを脂肪として溜め込みやすい体になってしまいます。本書ではそんな脂肪肝をたった1週間で改善し、若い頃のような食べても太らない代謝機能をよみがえらせるすごい方法を紹介します。
公開日:2023.02.14