筋肉って、全部でいくつあるの?
400とも800ともいい、数えかたによって変わる
ヒトの体は全部でいくつの筋肉があるのでしょう。筋肉には骨についている骨格筋(こっかくきん)のほか、心臓を動かす心筋(しんきん)と、血管や内臓などの壁をつくる平滑筋(へいかつきん)の3種類があります。平滑筋と心筋は数えられません。骨格筋は左右にあり、また細かく分かれているので全部合わせて400個とか800個という研究者もいて、なかなか意見が一致しません。その理由は、数えかたによって筋肉の数が違ってくるためです。筋肉には1つひとつ名前がついているので、誰が数えても同じになるはずですが、なかには例外があり、数えかたをややこしくしています。
背骨には名無しの筋肉がある?
最もやっかいなのは背骨のところにある骨格筋で、一部の筋肉には、1つひとつに名前がついていません。背骨の横突起(おうとっき)から出てきて、上の棘突起(きょくとっき)に斜めにつく筋肉は、1つ上、2つ上、3つ上・・・というふうについているものがあり、境目なくつながっています。これらは、全部まとめて1つの筋肉としたほうがよいか、別の筋肉としたほうがよいか、判断するのは難しいところです。しかたなく便宜上として、数で分けて、1つ上から2つ上までについてる比較的短い筋肉を「回旋筋(かいせんきん)」、2~4つ上までについているのを「多裂筋(たれつきん)」、4つ以上のものを「半棘筋(はんきょくきん)」としています。ちなみに、手のなかの筋肉にも、1つの名前で呼べば、数が少なくなるものがあります。筋肉の数を正確にいうのはとても難しいのです。
筋肉(骨格筋)の基本構造
筋肉
太さ10~100マイクロメートル、長さ5~12センチほどの細長い筋線維の集り
腱
筋肉の端にあり、筋肉と骨をつなぐ
骨
靱帯
骨と骨をつなぎ、関節を補強する
筋肉の両端は骨についており、筋肉と骨は連動して動く。こうしたはたらきを持つ筋肉(骨格筋)が、人体に400以上あるとされ、それぞれに名前がついている。
シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
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気になる中身を少しだけご紹介!耳はどんなふうに働いて音を感じるの?
空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む
いくつもの器官を通って脳に辿り着く
耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。
耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因
年を取っていくと、耳から入った音が脳に辿り着くまでの間に、さまざまな問題が発生するようになります。なかでも耳が遠くなる最大の原因は、蝸牛にある有毛細胞の衰えです。有毛細胞は蝸牛の入口に近いほど高い音、奥に行くほど低い音に反応するしくみになっていますが、どんな音も同じように入口から入ってくるので高い音を担当する細胞ほどダメージを受けやすくなります。そのためヒトは、年を重ねるごとに高い音から聞こえにくくなっていきます。
音波が聴覚に変わるしくみ
①音波が鼓膜に届き、鼓膜が振動する
②耳小骨が鼓膜の振動の力を増幅する
③ふるえが蝸牛のなかを巡り、電気信号に変わる
④電気信号が内耳神経を通って脳に伝わる
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解剖学は,医師や看護師、整体師、介護士、栄養士など医療・健康職や、トレーナー、ヨガ指導者など、スポーツ関係者が身に付けておくべき専門知識で、資格試験の科目です。いま、多くの人が勉強している解剖学のディープな面白さを、一般の人に向けて、ゆるくて楽しいイラストを使い、わかりやすく図解します
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井 建雄
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公開日:2023.09.04