女性は胸式呼吸、男性は腹式呼吸が多い
胸式呼吸は、肋骨のはたらきを使う呼吸法
空気を吸い込んで、肺のなかに酸素を取り込み、二酸化炭素などのいらないものを吐き出すのが呼吸です。実は、呼吸には2つの種類があります。1つは「胸式(きょうしき)呼吸」で、もう1つは「腹式(ふくしき)呼吸」です。胸式呼吸は、胸を囲んでいる肋間筋(ろっかんきん)きんのはたらきで胸を広げて、肺に空気を入れます。出すときは肋間筋をゆるめ、肺の空気を押し出します。深呼吸をイメージしていただくとわかりやすいでしょう。女性の多くは、胸式呼吸をしているといわれています。これは、妊娠してお腹が窮屈になったときでも呼吸しやすいためと考えられています。
腹式呼吸は、横隔膜のはたらきを使う呼吸法
腹式呼吸は、肺の下にある横隔膜のはたらきによって、肺に空気を出し入れします。横隔膜が縮むことで、肺がお腹の方向へふくらんで空気が入ります。横隔膜が元に戻ると、肺の空気が下から押し出されます。男性に多いといわれているのは、この腹式呼吸です。2つの呼吸法には、それぞれ役割があります。胸式呼吸は、たくさんの空気を体に取り入れることが目的で、運動時や緊張時によく使われます。腹式呼吸は、体のなかにたまっている空気を全部出し切ることが目的で、リラックス時によく使われます。どちらの呼吸法もヒトにとって大切で、私たちはそれを上手に使い分けて暮らしているのです。
胸式呼吸と腹式呼吸の違い
胸式呼吸
肋間筋を収縮させて肺をふくらませ、吸う。肋間筋をゆるめて肺を戻し、吐く。女性に多い呼吸法。
腹式呼吸
横隔膜を収縮させて下に下げることで肺をふくらませ、吸う。横隔膜をゆるめて肺を戻し、吐く。男性に多い呼吸法。
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気になる中身を少しだけご紹介!耳はどんなふうに働いて音を感じるの?
空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む
いくつもの器官を通って脳に辿り着く
耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。
耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因
年を取っていくと、耳から入った音が脳に辿り着くまでの間に、さまざまな問題が発生するようになります。なかでも耳が遠くなる最大の原因は、蝸牛にある有毛細胞の衰えです。有毛細胞は蝸牛の入口に近いほど高い音、奥に行くほど低い音に反応するしくみになっていますが、どんな音も同じように入口から入ってくるので高い音を担当する細胞ほどダメージを受けやすくなります。そのためヒトは、年を重ねるごとに高い音から聞こえにくくなっていきます。
音波が聴覚に変わるしくみ
①音波が鼓膜に届き、鼓膜が振動する
②耳小骨が鼓膜の振動の力を増幅する
③ふるえが蝸牛のなかを巡り、電気信号に変わる
④電気信号が内耳神経を通って脳に伝わる
★なぜ、悲しいときや嬉しいときに涙が出るの?
★女性と男性で呼吸法が違うって、本当?
★長時間スマホを見ていると目がぼやけるのはなぜ?
★寝ているときに便が漏れないのは、なぜ?
などなど気になるタイトルが目白押し!
解剖学は,医師や看護師、整体師、介護士、栄養士など医療・健康職や、トレーナー、ヨガ指導者など、スポーツ関係者が身に付けておくべき専門知識で、資格試験の科目です。いま、多くの人が勉強している解剖学のディープな面白さを、一般の人に向けて、ゆるくて楽しいイラストを使い、わかりやすく図解します
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井 建雄
ヒトの骨は全部で何個あるの? 血管の長さって、どれくらいあるの? 女性と男性で呼吸法が違うって、ほんとう? いちばん身近でディープ! ヒトの体のナゾを徹底解明! 専門的知識ゼロでOK! 骨、筋肉、肺、心臓、腸、脳……。超素朴な疑問で楽しむ解剖学のキホン。いま、解剖学は医療職やスポーツ関係者だけでなく、健康や体に対する意識の高い人を中心に広く一般に関心が高まっています。解剖学は、人体を切り開き、ヒトの体のしくみと働きを追求する学問。そんな解剖学と解剖学から発展した生理学をベースに、いちばん身近でディープな人体の謎を、ゆるくて楽しいイラストとともにわかりやすく解説します。専門的知識ゼロでも大丈夫。素朴な疑問形式で、骨や筋肉、関節から、呼吸器、循環器、消化器、呼吸器、感覚器、生殖器まで、知っておきたい体のコトが楽しくわかります。日常生活にも役立ち、楽しさ満載の図解本。
公開日:2023.09.16