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舌はどうやって味を感じているの?舌にあるぶつぶつの正体とは?【図解 解剖学の話】

Text:坂井建雄

舌にあるツブツブが5つの味覚を感じ分けている

苦味・酸味・甘味・塩味の順に敏感

甘みは舌の先、酸味は舌の側面、苦みは舌の奥で感じているといった「味覚地図」という言葉を耳にしたことはありますか。これは1900 年の研究に基づいて唱えられた古い学説で、実態は少し違います。人間が認識できる味は、「塩味(しょっぱい)」「酸味(すっぱい)」「甘味(甘い)」「苦味(苦い)」「うま味」の5つで、味覚はこの5つから成っています。舌をよく見ると、「舌乳頭」というツブツブが一面に並んでいることがわかりますが、この奥にある「味蕾」と呼ばれる器官が、味を感じ取るセンサーです。舌は基本的にどの部分でも5つの味覚を感じ取ることができ、苦味・酸味・甘味もしくは塩味の順に敏感です。ただし、味の感じやすさは舌の場所によって異なります。というのも、味を感じ取るセンサー(味蕾)は、舌にまんべんなく分布しているのではなく、舌の先や根元付近、側そく縁えん後方に集中しているためです。

味蕾のはたらきは年齢とともに弱くなる

味蕾のうち約8割は舌の上にあり、残り約2割は、のどや軟口蓋のやわらかい部分にあります。のどの味蕾は、水を飲むことでも反応し、この反応が「のどごし」につながるといわれています。子どもの頃に約1万個ある味蕾の数は、年とともに減っていき、高齢になると半分以下になります。子どもの味蕾は敏感で、酸っぱい物や苦い物を強く感じます。それが大人になるとおいしく感じるのは、味を感じる力が弱まり、ちょうどいい味に感じられるようになるからです。

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気になる中身を少しだけご紹介!耳はどんなふうに働いて音を感じるの?

空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む

いくつもの器官を通って脳に辿り着く

耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。

耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因

年を取っていくと、耳から入った音が脳に辿り着くまでの間に、さまざまな問題が発生するようになります。なかでも耳が遠くなる最大の原因は、蝸牛にある有毛細胞の衰えです。有毛細胞は蝸牛の入口に近いほど高い音、奥に行くほど低い音に反応するしくみになっていますが、どんな音も同じように入口から入ってくるので高い音を担当する細胞ほどダメージを受けやすくなります。そのためヒトは、年を重ねるごとに高い音から聞こえにくくなっていきます。

音波が聴覚に変わるしくみ

①音波が鼓膜に届き、鼓膜が振動する
②耳小骨が鼓膜の振動の力を増幅する
③ふるえが蝸牛のなかを巡り、電気信号に変わる
④電気信号が内耳神経を通って脳に伝わる

耳はどんなふうに働いて音を感じるの?『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』

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解剖学は,医師や看護師、整体師、介護士、栄養士など医療・健康職や、トレーナー、ヨガ指導者など、スポーツ関係者が身に付けておくべき専門知識で、資格試験の科目です。いま、多くの人が勉強している解剖学のディープな面白さを、一般の人に向けて、ゆるくて楽しいイラストを使い、わかりやすく図解します

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井 建雄

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