性染色体にＹがなければ女性、あれば男性になる

初期の胎児は男性器も女性器もつくれる

男性と女性の体は、見た目も役割も違うように感じますが、解剖学的にみると、生殖器以外は同じといえます。胎児期のごく初期の段階までさかのぼると、男性器も女性器もつくれるようになっているのです。では、どうやって男女ができるのでしょう。初期の胎児の細胞のなかには、男性器をつくれる設計図と、女性器をつくれる設計図の両方が備わっています。胎児がそのまま育つと自動的に女性器をつくって女性になります。しかし、遺伝子のなかにある男性に変わるスイッチが入れば、男性になります。そのスイッチを入れる遺伝子は、「性染色体」にあります。

「SRY」にスイッチが入ると精巣ができる

細胞の核のなかには、遺伝子とタンパク質からできた「染色体」があります。ヒトの染色体は46 本と決まっていて、このうち44 本は男女共通です。残りの２本は男女の性別を決定づける「性染色体」で、女性はＸ染色体を２本、男性はＸ染色体とＹ染色体を１本ずつもっています。男性だけが持っているＹ染色体には、「SRY」という遺伝子のスイッチがあります。この「SRY」にスイッチが入ると、胎児に精巣ができます。スイッチが入って精巣ができると、男性ホルモンが分泌され、男性の生殖器を発達させます。それと同時に女性の生殖器になることを抑えるホルモンも分泌され、これにより男女の性別が分かれていくというわけです。

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気になる中身を少しだけご紹介！耳はどんなふうに働いて音を感じるの？

空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む

いくつもの器官を通って脳に辿り着く

耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。

耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因

年を取っていくと、耳から入った音が脳に辿り着くまでの間に、さまざまな問題が発生するようになります。なかでも耳が遠くなる最大の原因は、蝸牛にある有毛細胞の衰えです。有毛細胞は蝸牛の入口に近いほど高い音、奥に行くほど低い音に反応するしくみになっていますが、どんな音も同じように入口から入ってくるので高い音を担当する細胞ほどダメージを受けやすくなります。そのためヒトは、年を重ねるごとに高い音から聞こえにくくなっていきます。

音波が聴覚に変わるしくみ

①音波が鼓膜に届き、鼓膜が振動する
②耳小骨が鼓膜の振動の力を増幅する
③ふるえが蝸牛のなかを巡り、電気信号に変わる
④電気信号が内耳神経を通って脳に伝わる

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解剖学は，医師や看護師、整体師、介護士、栄養士など医療・健康職や、トレーナー、ヨガ指導者など、スポーツ関係者が身に付けておくべき専門知識で、資格試験の科目です。いま、多くの人が勉強している解剖学のディープな面白さを、一般の人に向けて、ゆるくて楽しいイラストを使い、わかりやすく図解します