日本人の約4割はお酒に弱いという事実
お酒に強い人と弱い人がいますが、これはなぜなのでしょうか? 実はこれを決めるのは遺伝子であることがわかってきました。
体内に入ったアルコール(エタノール)は肝臓に運ばれ、2段階の分解を経て無毒化されます。第1段階では、アルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに分解され、第2段階では、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって、無毒の酢酸に変化し、最終的に炭酸ガス・水・熱となります。
アルデヒド脱水素酵素は6種類ありますが、そのうちの2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)がお酒に強いか弱いかを決めるポイントとなります。ALDH2の遺伝子には、アルコール分解能力の高いN型、能力が低下したD型の2種類が存在することがわかっています。
人間は両親からひとつずつ遺伝子を受け継ぐので、NN型・ND型・DD型の3タイプが存在することになります。
アルコール分解能力はNN型が最も高く、ND型はその16分の1、DD型はほとんど失われてしまっているのです。
日本人の場合、約4割がND型かDD型と考えられています。つまり、日本人の多くが遺伝的にお酒に強くありません。顔がすぐ赤くなる人は、ほぼND型かDD型ですので、お酒に弱いという自覚が必要です。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 肝臓の話』
監修:栗原毅
新型コロナウィルスの影響でテレワークの導入や、不要不急の外出など、何かと家にいる時間が多くなっている昨今、問題視されている“酒量の増加”。運動不足な上に酒量が増加したことにより、太ってしまったり、々な健康数値に悪影響が出ている人も多くおり、その多くの人が『正しい飲み方』を知りません。本書ではそんなお酒を考える上でも最も大切な臓器である『肝臓』の働きから、必ず役立つ『最強の飲み方』まで、すぐに使える実用的な情報を幅広く紹介します。
公開日:2021.05.02