左右の手は別々の仕事をする
グリップの話しで結局、何が言いたいかというと、左右の手が別々の仕事をしている、ということです。大型ヘッドのドライバーの場合、左手でシャフトを持ち、右手でヘッドを持つと、左右の手の間にかなりの幅ができます。ドライバーヘッドは砲弾型でへらのイメージとは少し違いますが、垂れようとするヘッドを右手で支える必要があることは理解しやすいと思います。ヘッドが小さければ左右の手が離れないので「両手の一体感」でコントロールできるかもしれませんが、460ccのドライバーのヘッドでは無理があります。左手は軸を制御し、右手は軸に対しヘッドが倒れないようにキープすることが左右の手の役割です。
しかもダウンスイングにおいてヘッドに大きな慣性モーメントが発生し、外に膨らもうとしますから、右手首の角度をキープしてそれを防ぐ「手綱を引く」ような動きも重要になります。
こうすると包丁を持っているような感覚になるので、ヘッドを動かしたときに刃がどこにあるかがわかります。そうなると刃が芝を切っていく感覚や、ヘッドがボールに入っていく感覚はつかみやすいですし、フェースを開いて入れる感覚や、閉じて入れる感覚がわかってくるとアプローチイップスは治ります。
このドリル、というか体験で理解してもらいたいのは、つねにへらが軸の上にあるようにクラブをコントロールするということです。へらを倒さずにボールを打つとシャフトが暴れませんし、逆に言えば、へらが倒れることでいかにシャフトが影響を受けているかが理解できると思います。
【書誌情報】
『一生ブレない身体のスイング』
著者:永井延宏
ゴルフのスイングはゴルフクラブと自分のバランスが大切。最新のクラブヘッドが大型化するにつれて、クラブに働く力と自分の力を均衡させることが重要になっている。この本では、最新のクラブを題材に、いまのクラブに合ったボールの打ち方を写真でわかりやすく解説。さらに、クラブに働く遠心力など、見えない力に負けない身体の効率的な使い方を練習ドリルとともに紹介。「入れ替え動作」という、身体の動かし方を写真でくわしく説明している。
公開日:2020.08.06