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クラブをUターンさせる手本は王貞治のバッティングフォーム!【一生ブレない身体のスイング/永井延宏】

Text:永井延宏

クラブをUターンさせる

90度を180度にしてボールを打つ場合、背中に壁を意識すると、自分の行っている動作がより理解できると思います。トップの位置にあたる9時でクラブが壁の面の高い位置に収まり、180度動かしたとき再び壁の面の低い位置に収まります。こう考えるとクラブを下降させているだけということがわかるでしょう。

クラブが最下点に来た後はどうなるかというと、次の90度で上昇してフィニッシュです。クラブを下降させながらボールをとらえ、最後にピュッと振り上げるのはいかにもイマドキのトップ選手の動きで、昔のように6時のインパクトからフォローを大きくとって、というニュアンスではありません。ターゲットに放り投げるように、というイメージがひと昔前のクラブの使い方だとしたら、現代のクラブは最下点からターゲット方向へ進むヘッドをU ターンさせて、飛球線後方に放り投げるイメージです。クラブをUターンさせるには、8時や7時の位置で加速させてしまうとスピードが残らないので、自ずと身体に近いところにクラブを通すようになるという効果もあります。

野球のホームランバッターはこのメカニズムで打っているケースが多く、元巨人軍の王貞治選手のバッティングフォームはそのいい例です。一本足の構えから身体は投手のほうへ踏み込んで一方通行ですが、インパクトした後は、バットをボールが飛ぶ方向と逆の方向に振り抜いていきます。イチロー選手の素振りを見ても、飛球線後方にバットを振り抜くよう意識しているかのようです。身体の重心移動はUターンしないけれども、バット(クラブ)はUターンするというのが球を飛ばす道具の使い方と言えるでしょう。

ゴルフの話に戻しますと、7時の位置でクラブヘッドがボールとコンタクトしたら、圧力をかけながら、クラブが背中の壁に到達するまで押し続けるイメージです。

そこからクラブをU ターンさせてフィニッシュです。つまりフェースにボールがくっついている時間が長いのが、現代のクラブに合ったスイングです。インパクトからボールをターゲットに押し込んでいくので、正面から見ると、左手のグローブが見え続けるのが世界のトップ選手の特徴と言えます。

【書誌情報】
『一生ブレない身体のスイング』
著者:永井延宏

ゴルフのスイングはゴルフクラブと自分のバランスが大切。最新のクラブヘッドが大型化するにつれて、クラブに働く力と自分の力を均衡させることが重要になっている。この本では、最新のクラブを題材に、いまのクラブに合ったボールの打ち方を写真でわかりやすく解説。さらに、クラブに働く遠心力など、見えない力に負けない身体の効率的な使い方を練習ドリルとともに紹介。「入れ替え動作」という、身体の動かし方を写真でくわしく説明している。