「今、ここ」に注意を向けDMNを生み出すから
人間は、1日6万回思考しているといわれ、ほとんどが自分の意思とは無関係に自動的に思考や感情がわいてきます。
これを放っておくと、思考や感情が自動操縦状態に陥ってしまい、未来に対して不安を感じたり、過去の出来事を思い出して後悔したりする時間が増えてきます。
この悪循環を断ち切るために有効なのがマインドフルネスです。これは、「今、ここ」で起こっていることにだけを見つめ、今の感情、思考を判断せずに冷静に観察している心の状態をいいます。
日本語では「気づき」などと訳され、近年では脳科学や心理学、認知科学の分野からのアプローチが進んでいます。また、アメリカの先端のIT企業では、マインドフルな状態を維持するために、マインドフルネス瞑想を社内研修に取り入れており、認知度は急速に高まっています。
マインドフルネスになると脳のなかではどんなことが起こっているのでしょうか。
ここで出てくるのが、前にもお話ししたデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)です。瞑想や歩行禅などを行なっているときは、何かを考えているわけではないので、脳がアイドリング状態になり、DMNが活動しやすい状態になるのです。
これで脳のメンテナンスが行なわれ、気づきを得られたり、ストレスが解消されたり、創造性が高まったりします。
自分自身を受け入れ、「今、ここ」を受け入れるとともに、成功や目標の過程を味わい楽しむこと。これが、マインドフルネスだといってもいいでしょう。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
著:茂木健一郎
シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「脳」について切りこんだした一冊。「なぜ、脳から意識が生まれるの?」「ひと目ぼれは、どうして起きる?」「頭がいいって、どういう人?」人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。
公開日:2020.09.12
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