まず自信をもつ。根拠は後付けの努力で
赤ん坊を観察していると、自信に満ちているように見えます。ハイハイするときに、「ぼく、できるかな?」などとは思いませんし、伝い歩きをするときに、「今日は調子が悪いから明日にしよう」などとためらう様子も見せず、果敢にチャレンジしています。
ところが、大人になるにつれて、人は根拠なく自信を失い、何かをしないことの言い訳ばかりがうまくなります。
「そんなこというけど、それは理想論で、現実にはなかなか難しいね」といった具合に。
もし目の前に自信をなくした人がいたとしたら、「根拠のない自信をもて。そして、それを裏づける努力をせよ」と、私はいってあげたい。
夢ばかりを語って、それを実現するための努力をしない人は、結局、ほんとうはその夢を信じていないことになります。もし、「この夢は絶対にかなうんだ」という根拠のない自信をもてば、猛然と努力をするはずだからです。
そして、根拠のない自信をもつ人は、他人に対しても根拠を求めません。それが、自由な空気を醸成し、周囲の人にも根拠のない自信が伝搬していくのです。
もう1つ。自信をなくして劣等感をもっている人には、劣等感というのは個性であることを認識させることも必要になってきます。
その個性を自分自身や周りが受け入れることができたら、人であれ、家庭であれ、会社であれ、それが安全基地となり、何かに挑戦しようという勇気も生まれてくるはずです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
著:茂木健一郎
シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「脳」について切りこんだした一冊。「なぜ、脳から意識が生まれるの?」「ひと目ぼれは、どうして起きる?」「頭がいいって、どういう人?」人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。
公開日:2020.09.16