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ひらめきを生む原動力は、一体なに?【脳の話】

Text:茂木健一郎

記憶の編集力こそがひらめきの原動力

創造性とは「無から有を生み出すこと」ではありません。これと同様に、ひらめきを生むためには記憶を司る側頭葉に、ある程度の準備ができていないといけません。

その準備というのは、「学習する」ということです。ひらめくためには、そのベースとなる材料を側頭葉にストックしておかなければなりません。

暗記する、記憶するということと、ひらめきや創造性はまったく正反対であると思う人も多いかもしれません。しかし、学習によって記憶のアーカイブがある程度蓄えられていないと、ひらめきも生まれないのです。

たとえば、神童と呼ばれたモーツァルト。幼いころから音楽の英才教育を受けて、いろいろな音楽をたくさん聞いていました。

彼の側頭葉には、音楽に関する記憶のアーカイブが豊富だったからこそ、後世に残るような独創的な曲をつくり出すことができたわけです。

ひらめきや創造性のメカニズムというものは、人間の記憶のシステムがもつ不思議さと密接にリンクしていて、ひらめきや創造性は、記憶の働きから生まれる可能性が高いといえます。

人間の記憶というのは、覚えたことをただ再現するのではなく、脳のなかで再編集されてアウトプットされています。この編集する力こそ、ひらめきを生む原動力といえるのです。

ひらめきは人生を豊かにしてくれます。そのためにも、学習によってしっかりとしたベースをつくることも大事になってくるというわけです。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
著:茂木健一郎

シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「脳」について切りこんだした一冊。「なぜ、脳から意識が生まれるの?」「ひと目ぼれは、どうして起きる?」「頭がいいって、どういう人?」人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。

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