「アハ!ピクチャー」と「アハ!センテンス」
「アハ!体験」を難しく考える必要はありません。いくら考えてもわからなかったことが急に腑に落ちて「なるほど!」「そういうことか!」となったことはあるでしょう。それも「アハ!体験」です。
前項で話したように「アハ!体験」をくり返すことで脳は活性化します。ですから、「なるほど!」「そういうことか!」と感じる体験は、多くしたほうがいいということになります。
そこで、私がおすすめするのが、「アハ!ピクチャー」と「アハ!センテンス」です。
一見、何が描かれているのかわからない絵柄を、じっと見ているうちに、はっきりとしたイメージとなり、一度そう見えてしまったらもうそれ以外のものには見えなくなってしまう。これが「アハ!ピクチャー」と呼ばれるものです。そして「アハ!センテンス」とは次のような文章をいいます。
『布が破れると、藁の山が重要になる』全体としてピンボケのセンテンスですが、あるキーワードにたどり着ければ、「なるほど!」と思わず膝を叩いてしまうはず。
ヒントをいうと、この「アハ!センテンス」のキーワードは「パラシュート」です。「パラシュート」の布が破れた状態で着地しなければならなくなったとき、藁の山に降りられるかどうかが生死の分かれ目になる―といった意味が浮かび上がってこないでしょうか。
このように、遊び感覚で「アハ!体験」をくり返して、脳にひらめきグセをつけてみてはいかがでしょうか。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
著:茂木健一郎
シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「脳」について切りこんだした一冊。「なぜ、脳から意識が生まれるの?」「ひと目ぼれは、どうして起きる?」「頭がいいって、どういう人?」人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。
公開日:2020.12.02