AIのおかげで「ちゃらんぽらん」に生きていける
AIの特徴は、人間にルールや評価基準を決めてもらい、それにしたがって忠実に稼働するところにあります。
ルールや評価基準さえ与えれば、AIは非常に信頼できる存在といえますし、これからAIの能力はさらに進化していくでしょう。そこで、誤解を恐れずにいえば、人間はもう少し「ちゃらんぽらん」や「いいかげん」でいい時代が来るのでは、と私は予測しています。
たとえば、以前は知らない土地を歩こうとするとき、事前に地図で調べて、どこか恐る恐る、慎重に歩いていたものです。でも今では、スマートフォンのおかげで、ある程度適当に歩いていても何とかなるといった安心感があります。
これが、「ちゃらんぽらんが生み出す自由」だということでしょう。ルールをちょっと外れても、AIがあとの面倒を見てくれて、私たちはいっそう、仕事でも勉強でも冒険やチャレンジができるというわけです。
教育にしても、これまでは学校のシステムを1度外れてしまうと、なかなか復帰するのが困難でした。ところが、AIの時代には、学びの方法や機会に関して、いろいろな選択肢から選べるようになってきています。
さらに就職活動にしても、働きたい人と企業のマッチングがAIでやれるようになり、企業側は優秀な人材を発掘しやすくなっていくはずです。つまり、人間に自由を与えてくれたAIの発達は、よかったといえるのではないでしょうか。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
著:茂木健一郎
シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「脳」について切りこんだした一冊。「なぜ、脳から意識が生まれるの?」「ひと目ぼれは、どうして起きる?」「頭がいいって、どういう人?」人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。
公開日:2020.12.09