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忘れたり、思い出したりする記憶のメカニズムとは!?【脳の話】

Text:茂木健一郎

記憶がどのように存在するのか解明されつつある

海馬から大脳皮質に送られた陳述記憶の情報は、神経細胞を刺激し、たくさんの神経細胞とシナプスが組み合わされます。そうしてできた記憶の回路が大脳皮質に保存されます。記憶を引き出す際は、その回路に電気信号を送ることで呼び覚まし、思い出すことができるのです。ただし、長く思い出されないでいる記憶は消去されていきます。

年を取ると物忘れで記憶をすぐなくすと思う人がいるかもしれませんが、そうとは限りません。

物忘れは、老化により記憶を引き出そうとする電気信号のエネルギーが弱くなって記憶の回路に信号が届かなくなるのが原因であって、記憶自体が消えることで起こるのではありません。

忘れたくない記憶は、思い出すようにすることが大切です。

最近の研究により、記憶の種類によって保存される脳の場所が異なることがわかりつつあります。エピソード記憶は前頭葉に、意味記憶は側頭葉に、感情に関わる記憶は扁桃体に保存されます。一方、非陳述記憶(手続き記憶)は大脳基底核の線条体と小脳に保存されます。

大脳基底核は脳が体の筋肉を動かしたり止めたりするときに、小脳は筋肉がスムーズに動くように動作を細かく調整する働きをします。人がこの働きを使って体を動かし、何度もくり返すと、そのうち、線条体と小脳では神経細胞ネットワークがつくられます。これで正しい動きを学習し、記憶される仕組みになっているのです。

このようにしてできた神経細胞ネットワークは消えるはことなく、いつまでも残ります。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
著:茂木健一郎

シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「脳」について切りこんだした一冊。「なぜ、脳から意識が生まれるの?」「ひと目ぼれは、どうして起きる?」「頭がいいって、どういう人?」人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。

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