スウィングづくり前に、まずはカラダづくり【飛距離アップのためのコンディショニング講座】
●筋力トレーニング編【PART1】
2回にわたって、「自由に動けるカラダづくり」として、柔軟性を高めるストレッチを紹介してきた。いよいよ今回から、筋力トレーニングに入っていく。筋トレといえば、負荷をかけた運動を想像しがちだが、飛距離アップに有用なトレーニングとは?
LET’S TRY!着地バランス、できますか?
片足で立ち、ジャンプを5回連続行う。ちゃんとその場に着地できるか、左右の足でチェックしてみよう。
「着地バランス」成功のカギはスウィングにも通じる「前傾キープ」
前回まで紹介した柔軟性を高めるストレッチを行うことで、それまで可動域が狭いために浅くなっていたトップが元の位置に戻れば、それだけでも飛ぶようになると思います。ただ、しっかりボールをミートしてインパクトするためには、スウィング軸の安定性が必要になってきます。
よく動く身体ができあがった(柔軟性)うえで、その身体の中に軸をつくってあげると、でんでん太鼓のように末端、つまりクラブが速く回る。その軸づくりが筋力トレーニングなのです。筋力トレーニングというと、パワーを上げてより速く振れるようにするイメージがあるかもしれません。でも、効率よくミートできるようになるだけで飛距離は伸びるので、軸がブレない安定感を作ることが重要になります。
「着地バランス」は、左右に動いたときにブレずに軸がつくれているかを確認するためのもの。片足で止まるためには、左右の足のどこに体重が乗っているかがポイントになります。スウィングではよく体重移動という言葉を使いますが、「移動」となると、トップで軸が右にシフトする動きになりがちです。
スウィング中、体重はある程度真ん中の軸からズレません。トップで体重は右足に乗りますが、左足にも荷重しないと軸が右に持っていかれてしまいます。「ダウンの始動は左足から」という教えも、実際は切り返しの前、テークバックの途中でもう左足に体重が乗っていないと遅いのです。
着地して止まることができたとしても、その止まり方は、股関節を使うかヒザを使うかに分かれます。股関節を使い、ヒザをある程度伸ばしてお尻を後ろに出すようにすると、前傾をキープして止まることができます。一方、ヒザで止まる人は股関節が使えていないので、前傾は崩れてしまいます。
ゴルフは股関節の動きが重要なスポーツです。着地バランスで股関節が使えていないと、スウィングでも使えていないことになります。着地バランスができるようになると、軸が安定するだけでなく、スウィングの動きもスムーズになります。
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【出演者情報】
●中村俊介
筑波大学大学院でスポーツ医学を学び、2006〜09年に片山晋呉プロの専属トレーナーを務める。その後は各種競技の代表選手のトレーニング、コンディショニングを指導。現在はJLPGA ツアーに帯同し、女子プロのコンディショニングを行う。東京・港区に2020 年7月にオープンした「LinkPerformance Studio」(http://link-inc.tokyo)ではヘッドトレーナーを担当
公開日:2021.03.13