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飛距離UPを実現する解剖学的観点からみた3D的アドレスの作り方とは!?【中村俊介の脱・手打ちで「軸がブレないスウィング」をつくる】

脱・手打ちで「軸がブレないスウィング」をつくる

前回は、“いいスウィング”のスタートとなる“いいアドレス”と、それを手に入れるためのストレッチを教わった。本来であればテークバックに移るところだが、その前に今回はぜひ理解しておきたいことがある。スウィングとは単純な水平方向の回転運動ではなく、
解剖学的観点からみると3D的(立体的)に身体を使わなければいけないということだ――。

スウィングは3Dで考える前後+回旋に側屈もしくは横の動きを加えて軸をまっすぐ保つ


軸がブレずにテークバックするには、左足の踏ん張りとともに欠かせない動きがあります。それは、前傾角度をキープすることです。テークバックで股関節の屈曲がほどけると、上体が起き上がって横回転になり、スウェイが生じてしまいます。本来は前傾を保ったまま、縦回転するのが正しいのですが、スウィングを二次元でとらえると前傾キープが難しくなります。

解剖学的には、前傾のような前後の方向の動きを「矢」、回転のように身体が回旋する動きを「水平面」といいます。そして三次元の世界ではもうひとつ、横(左右)の動きである「前額面」が加わります。

上体の回転に伴い、アドレスでつくった前傾がほどけてしまうのを防ぐには、この前額面の動きが必要になるのです。スウィングにおける前額面の動きとは側屈(身体を左右に倒すこと)。テークバックでは左の側屈、つまり左のワキ腹が縮み、右のワキ腹が伸びる動きが必要です。

テークバックでこの側屈を入れることで、前傾をキープして上体の起き上がりとスウェイを防ぐことができます。

スポーツはすべて、矢状面、前額面、水平面の3D(立体的)による運動です。どれかの動きがなくなると、カバーしようとして他のどれかの動きが強くなります。ゴルフでは前額面が抜けることがとても多く、矢状面や水平面の動きが増える。結果として前後動が大きくなったり、回旋しすぎたりするのです。

テークバックにおける各方向の動きを整理すると、
・矢状面…股関節の屈曲キープ
・前額面…左側屈
・水平面…回旋
この3つがバランスよく組み合うことで、スウィング軸はズレることなく保たれるのです。


そして、テークバックでの下半身の動きは、骨盤の回旋と股関節の内旋。内旋とは身体の内側に回転させる動きで、これを行うことで、骨盤の回りすぎを抑えるストッパーになります。

骨盤が回りすぎると、上体も同じぶんしか回すことができず、捻転差が生まれません。捻転差とは、骨盤のラインに対して肩のラインがどれだけねじれているかの差。これが多ければ多いほど遠くに飛ばせます。

また、土台となるべき骨盤が大きく回ると安定せず、軸がブレやすいというデメリットも生じてしまいます。

実は、骨盤も回旋とともに側屈を行います。この動きもブレない軸づくりに大きな役割を果たすのですが、骨盤の側屈については次回お話しします。

出典:『ゴルフレッスンプラスvo.9』

【出演者情報】
●中村俊介
筑波大学大学院でスポーツ医学を学び、2006〜09年に片山晋呉プロの専属トレーナーを務める。その後は各種競技の代表選手のトレーニング、コンディショニングを指導。現在はJLPGA ツアーに帯同し、女子プロのコンディショニングを行う。東京・港区に2020 年7月にオープンした「LinkPerformance Studio」(http://link-inc.tokyo)ではヘッドトレーナーを担当

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