たくさんの探査機がその証拠を発見
火星は、地球の質量を1とすると0.1074ほどしかない小さい惑星です。望遠鏡で見ると真っ赤に燃えているように見えますが、あれは表面の砂に含まれた錆さびた鉄の色です。フォボスとダイモスという2つの衛星をもっています。どちらも直径数十キロメートルと小さく、球形ではなくいびつな形をしています。実は、火星と地球は少し似ています。火星の自転軸は25.2度傾斜していて、地球と同じように四季があります。
自転周期は1日24時間39分と、地球の1日と非常に近く、太陽の周りを回る公転周期も1.88年と似ています。地表の平均気温はマイナス50度と低いのですが、夏季の赤道付近では20度程度に上昇することもあります。
一方、極域ではマイナス130度といった低温になることがあります。火星の大気は非常に薄く、気圧は地球の0・6パーセントくらいしかありません。大気の成分は、95パーセントが二酸化炭素で、その他窒素やアルゴン、微量の酸素などが含まれています。火星には多くの探査機が送り込まれました。その結果、水が流れてできたと考えられる地形や、水の底でできたと考えられる堆積岩のような岩石なども発見され、火星にはかつて、液体の水が大量に存在していたことがわかってきました。
これらの水の一部は地下にしみ込み、極の地下で湖となっていることがわかりました。また、探査機による上空からの観察によって、地下の氷が溶け出し、水が流れたように見える筋状の模様がいくつか発見されています。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
監修:渡部潤一
「地球はどうやってできたの? 宇宙のどこにあるの? 」「太陽が巨大化するってホント?」「月のクレーターや『月の海』って?」「 宇宙はどんな構造?いくつもあるの? 」など素朴なギモンに即答で宇宙のナゾに迫る! ——地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、61テーマと興味深い宇宙・星座コラムで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!
公開日:2024.05.04