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鉄よりも重い元素が宇宙空間に大量に放出される?想像を絶する「超新星爆発」とは?【図解プレミアム 宇宙の話】

Text:渡部潤一

自ら光を放射する恒星、光を発しない惑星

質量が太陽の10倍以上もあるような重い星ほど核融合の材料である水素はたくさんあります。しかしその分、中心部が高温・高圧になって核融合が激しく進み、短期間で燃料を使い果たし、最期を迎えます。さらに重い星では、材料がなくなり、核融合が終了すると、中心部は鉄ばかりになります。

そもそも星は自分自身の重力で縮もうとしていますが、核融合が起こっている間は、そのエネルギーによってつぶれることはありません。しかし、核融合が終了し、中心部が鉄ばかりになってしまうと、一瞬のうちにつぶれてしまい、その反動で大爆発を起こし、星の外層部を吹き飛ばしてしまうのです。この爆発を「超新星爆発」といいます。

実態は、年老いた星の最期なのですが、爆発によって強い光を放つことで、新しい星が現れたように見えることから、こう呼ばれています。超新星爆発の結果、原子を構成する素粒子の1つである中性子がぎっしり詰まった中性子星や、太陽の40 倍以上の質量をもつ星の爆発なら、ブラックホールが残されます。

中性子星は、1立方センチメートルあたりなんと10億トンもの重さをもっています。実は、宇宙が誕生したころは、水素やヘリウムなどの軽い元素しか存在していませんでした。しかし、惑星はもちろん、私たちの体も、重い元素から成り立っています。この重い元素は恒星の核融合や超新星爆発の際につくられ、宇宙空間に放出されたものなのです。もし、超新星爆発がなければ、私たちの生命も生まれなかったのです。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
監修:渡部潤一

「地球はどうやってできたの? 宇宙のどこにあるの? 」「太陽が巨大化するってホント?」「月のクレーターや『月の海』って?」「 宇宙はどんな構造?いくつもあるの? 」など素朴なギモンに即答で宇宙のナゾに迫る! ——地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、61テーマと興味深い宇宙・星座コラムで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!

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