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〝心の問題だから…〟と諦めるのは間違い!どんな心の病気でも回復する可能性ある理由とは?【臨床心理学】

Text:湯汲英史

おかしいと感じたら早めの受診を!

厚生労働省の『患者調査』によれば、心の病気にかかっている人は約420万人と推計されています。これは、受診している人をベースにした調査ですので、自分が心の病気であることにまったく気がついていない人たちや、「何かおかしい……」と疑っていても受診しないという人たちも確実にいるため、実数はもっと多いと推測されます。

すでに解説したように、心の病気は種類も症状も多岐にわたり、原因もはっきりとわかっていないものが多いという特徴があります。これが身体の病気との大きな違いです。しかも、残念なことに心の病気に対する偏見は根強く残っていると言わざるをえません。そのため、精神科や心療内科を受診することに抵抗があるという方は少なくないでしょう。

もし、受診の結果、精神疾患という診断を受けた場合、診断名を公表して生活することは、学校や会社での理解が得られにくかったり、周囲の偏見の目にさらされたりする可能性がゼロではありません。

しかし、自分の病気がはっきりとわかれば、適切な治療や生活習慣や環境の改善を行うことができます。また、はっきりと病名が診断されることで、公的な支援や職場での配慮をお願いするときにも役立ちます。ですので、心の不調を感じたら、公認心理師などの心理職によるカウンセリングや精神保健福祉センターなどの機関に相談してみるとよいでしょう。うつ病のように放置すると悪化する精神疾患はかなり多く、悪化すればするほど治療にも時間がかかります。早く対応すればするほど、金銭的負担も時間的負担も少なくて済みますので、心の不調を感じたら早めの相談をするのが正しい選択なのです。

症状から病名を診断できるのは精神科医だけ【眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学】

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』監修/湯汲英史

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』
監修:湯汲英史

ADHDや学習障害、統合失調症やパニック障害などの言葉を耳にする機会はありますが、なんとなく心やメンタルの不調・病気と捉えてしまいがちな臨床心理学の分野。しかし紐解いていくと実はそれぞれの症状には特性や原因があり、子どもが抱えやすいのものから大人が抱えやすいものまで様々です。また、ストレスが原因で自分では気づかないうちに発症してしまうものも。本書ではそんな一見理解し難い「心の問題」の特性や症状を図解でわかりやすく解説します。最も大切なことはしっかりと特性を理解して自分と、そして他人と向き合うことです。「自分は他人がふつうにできることができない」「職場のあの人はどうも変に感じる」「子どもがじっとしていてくれない」こうした日常のもやっとした感情も、臨床心理学を知ることで理解が深まります。また、実際に現場で心の病気を抱えた人と向き合う公認心理士師の仕事についても紹介します。臨床心理学を通して「心の問題」について知ることで、自分や他人の特性がわかり、周囲と上手に付き合っていく方法を知ることができる一冊です。

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