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一部の学習技能を獲得しにくい「SLD」や「LD」とはどんな障がい?【臨床心理学】

Text:湯汲英史

「努力不足」だと誤解されやすい

限局性学習症/限局性学習障害(SLD)とは、知的能力障害(などの知的発達に問題がないにもかかわらず、基本的な学習能力に著しい困難が見られる特性です。

しばしば学習障害(LD)とも呼ばれ、医学的定義と教育的定義では違いがあります。医学的定義では「読むこと(読字障害)・書くこと(書字表出障害)・計算すること(算数障害)」に限定されていますが、教育的定義では、この3種類に加えて「聞くこと・話すこと・推論すること」が含まれます。これらの能力のうち、ひとつだけが苦手な場合もあれば、複数が苦手な場合もあります。

限局性学習症は、学習する機会を通じて初めて発覚するため、幼児期においては日常生活に大きな支障が見られず気づかれにくい特性と言えます。就学後、学年が上がるにつれて目立つようになり、一部の教科において授業についていくことが難しくなっていきます。

特定の学習だけが苦手であることから、しばしば「努力不足」と誤解されがちです。しかし、限局性学習症は脳機能による特性であり、学習の遅れは子ども本人に責任はありません。どれだけ勉強をがんばっても思うように効果が得られず、自信を失ったり傷ついたりしてしまうことが少なくありません。

限局性学習症/限局性学習障害(SLD)、学習障害(LD)は「書くこと・読むこと・計算することが苦手」【眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学】

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』監修/湯汲英史

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』
監修:湯汲英史

ADHDや学習障害、統合失調症やパニック障害などの言葉を耳にする機会はありますが、なんとなく心やメンタルの不調・病気と捉えてしまいがちな臨床心理学の分野。しかし紐解いていくと実はそれぞれの症状には特性や原因があり、子どもが抱えやすいのものから大人が抱えやすいものまで様々です。また、ストレスが原因で自分では気づかないうちに発症してしまうものも。本書ではそんな一見理解し難い「心の問題」の特性や症状を図解でわかりやすく解説します。最も大切なことはしっかりと特性を理解して自分と、そして他人と向き合うことです。「自分は他人がふつうにできることができない」「職場のあの人はどうも変に感じる」「子どもがじっとしていてくれない」こうした日常のもやっとした感情も、臨床心理学を知ることで理解が深まります。また、実際に現場で心の病気を抱えた人と向き合う公認心理士師の仕事についても紹介します。臨床心理学を通して「心の問題」について知ることで、自分や他人の特性がわかり、周囲と上手に付き合っていく方法を知ることができる一冊です。

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