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体が老化するとはどういうこと?高齢者にみられる体の変化とは【図解 老化の話】

Text:長岡功 野村義宏

「老化」すると、どのような変化が体に起こるのか、想像してみてください

「シワ」「シミ」「白髪」「脱毛」「老眼」「難聴」「物忘れ」「骨折」「関節痛」などでしょうか。下の図に高齢者の身体の変化をまとめてみました。おおむね予想どおりですね。老化していく生き物(ヒトを含む哺乳類)は同じような変化を示します。図で表した身体の変化は、各々の組織の働きの低下を示しています。この変化の延長に「死にやすくなる」を当てはめると、前項で述べた「老化は死にやすくなる」こととつながります。

身体の変化はさまざま現れますが、共通した特徴があるのです。それは「小さくなる」です。具体的にいうと、「皮膚は薄く弾力性がなくなり」「シワが増える」ほか、「骨や関節軟骨、筋肉も細く小さくなり」「折れやすくなったり」「歩きにくくなり」ます。「脳が小さくなり」「物忘れやバランスが悪くなり」ます。もちろん、動脈硬化などで血管が硬くなる例外もありますが、だいたい当てはまります。

では、老化すると、体はなぜ小さくなるのか。細胞と細胞の周りの大事な成分が減るからです。細胞は幹細胞が細胞分裂することで増えますが、寿命が来ると細胞も死にます。毎日3000億個の細胞が生まれ、3000億個の細胞が死ぬというのですが、これでバランスが保たれているため、一見すると体全体の細胞数(37兆個)は変わらないように見えます。血液の赤血球は骨の内腔の骨髄でつくられますが、寿命は120日で、最後は脾臓でこわされます。この「つくる」と「こわす」のバランスが崩れ、「こわす」側に傾くと細胞数が減ることになります。体を構成する270種類の細胞すべてでいえることです。

また、細胞の周り(間質)にもタンパク質、糖質、脂質が詰まっていて、この間質成分も歳を重ねると減少します。細胞と同じように「つくる」と「こわす」のバランスが崩れ、「こわす」側に傾くと間質成分も減ってしまう。これらが同時に発生し、細胞と間質成分の減少によって臓器が小さくなる。そこで体も小さくなるという仕組みなのです。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』監/長岡功 野村義宏

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』
長岡 功 総監修/ 野村 義宏 監修

高齢化や平均寿命が伸びた社会では、「老化」は誰もが避けられない、しかし誰もが可能な限り抗いたいテーマ。その多くは人体の「老化現象」、またそれに伴う「諸症状」として、完全には克服できないまでも、原因やしくみを知ってうまく対応すれば、症状を「やわらげる」ことや、日常生活での「影響を少なくする」こと、また「目立たなくする」ことが可能である。本書では具体的に、老化にともなう病気・諸症状の原因に言及し、その対処・対策法を解説、紹介する。中高年以降の健康と美容の悩みを楽しく読めて、一気に解決する一冊です。

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