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日常生活が変わると老化がどんどん進んでいくの?ストレスを溜めないことが老化を防ぐポイントって本当?【図解 老化の話】

Text:長岡功 野村義宏

日常生活は老化に大きく影響

日常生活は老化に大きく影響するわけです。20ページでも述べましたが、遺伝子の影響は約3割、ということは日常生活が約7割も影響するということです。ですから、摂取カロリーの過多で肥満になれば生活習慣病になり、老化が早まる。逆にカロリー不足で痩せすぎると栄養不足から種々の病気を抱え込む。昔から腹八分目とよくいったもので、基礎実験のデータでもこの言い伝えが支持されています。

また、ストレスは体によくないといわれます。ストレスには各種あって、大きく「精神的なもの」「物質的なもの」に分かれます(下図)。哀しいことやイライラなどで精神的にストレスを感じると、腎臓の上にある副腎から“コルチゾール”というストレスホルモンが分泌されます。実は、このホルモンは諸刃の剣です。コルチゾールは主にストレスから体を守る働きをしますが、多過ぎると逆に体に悪影響が出てしまう。実際、コルチゾール過多は、脳に老人斑が溜まりやすいという研究が報告されているのです。

物質的なストレスとは、紫外線や喫煙・副流煙、工場煙などの化学物質の暴露です。これらの物質は、直接・間接的にDNAを傷つけるので、細胞を死なせたり老化させたりする。その結果、老化を速めるわけです。私たちの体には、本来、どんなストレスにも対抗できるように何重にも防御システムを持っています。たとえば紫外線を防ぐためにメラニン色素をたくさん産出して皮膚を黒くする。DNAを傷つける活性酸素種を解毒する酵素(SODなど)や物質(ビタミンなど)をたくさん保持している。

傷が入ってもすぐに元に戻す修復酵素が常備されている。こうした対抗措置で体を健康に保っているわけです。ただし、繰り返し書いてきましたが、「つくる」と「こわす」のバランスが崩れてはいけません。最近は、“ロバストネス”(回復力)という言葉が注目されています。つまり、ストレスに対抗して回復力をつけるためには、「健康的な日常生活(運動、食事、生きがいを持つ)を維持し、ストレスの少ない日常を過ごす」ことが求められるとの謂いですね。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』監/長岡功 野村義宏

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』
長岡 功 総監修/ 野村 義宏 監修

高齢化や平均寿命が伸びた社会では、「老化」は誰もが避けられない、しかし誰もが可能な限り抗いたいテーマ。その多くは人体の「老化現象」、またそれに伴う「諸症状」として、完全には克服できないまでも、原因やしくみを知ってうまく対応すれば、症状を「やわらげる」ことや、日常生活での「影響を少なくする」こと、また「目立たなくする」ことが可能である。本書では具体的に、老化にともなう病気・諸症状の原因に言及し、その対処・対策法を解説、紹介する。中高年以降の健康と美容の悩みを楽しく読めて、一気に解決する一冊です。