老化で呼吸する力が衰えるとどんな病気になる?呼吸機能は身長と年齢に関係している【図解 老化の話】

老化と呼吸は深く関わっている

呼吸は、息を吸う動作(吸気)と息を吐く動作(呼気)からなっています

吸気は主に横隔膜と一部肋間筋を使っています。
次のような実験があります。まずガラス瓶の底を切って柔らかなゴムシートでおおう。瓶の口からゴム風船をしぼんだ状態で瓶の中に垂らす。次にゴム風船を瓶の口にしっかり止めた状態にし、ゴムシートを引っ張る。そうすると瓶の中のゴム風船が膨らむ。この実験は吸気を理解するためなのです。

底をおおったゴムシートが横隔膜で、風船が肺。ゴムシートを引っ張ることで、風船をおおう空間(体で胸腔)が陰圧になるため、風船(肺)が膨らむのです。ただし、この実験モデルによる吸気では、横隔膜が収縮していることがわかるものの、混乱するのは、なぜか横隔膜が伸びているようにも感じることです(下図)。

横隔膜とは、すべてが筋肉(横紋筋)からなっているのではなく、中央部は筋肉を欠き、腱膜(腱中心)になっています(下図)。

横隔膜が収縮するとこの腱膜部が腹側に動き、胸腔容量が増えます(下図)。

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』
総監修:長岡功 / 監修:野村義宏


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高齢化や平均寿命が伸びた社会では、「老化」は誰もが避けられない、しかし誰もが可能な限り抗いたいテーマ。その多くは人体の「老化現象」、またそれに伴う「諸症状」として、完全には克服できないまでも、原因やしくみを知ってうまく対応すれば、症状を「やわらげる」ことや、日常生活での「影響を少なくする」こと、また「目立たなくする」ことが可能である。本書では具体的に、老化にともなう病気・諸症状の原因に言及し、その対処・対策法を解説、紹介する。中高年以降の健康と美容の悩みを楽しく読めて、一気に解決する一冊です。

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