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老化すると味覚障害が起きる!?味覚を感じにくくなった時の対処法とは【図解 老化の話】

Text:長岡功 野村義宏

味を感じる味蕾の数が減少

人間は食べ物を口に入れると、下の表面部分にある味蕾で味を感知し、大脳の味覚中枢へ電気信号として伝えることで、味を感じています(下図)。ところが、高齢者になると舌や口腔内にある味蕾が減少するのです。個人差はありますが、高齢者では新生児と比べて、味蕾の量は3~5割ほどが少ないといわれています。要するに、味細胞は老化よって減るというわけです。

また、歳を取るにつれて、かむ力が低下し、唾液も減少していきます。そうすると、味蕾の働きが落ちて味覚が低下するようにもなります。近年、味覚の低下の原因として注目されているのが薬の影響です。味を感じるためには亜鉛や鉄といった成分が必要になりますが、薬の中の成分に亜鉛の働きを弱めるものがあるのです。それはどんな薬なのか。指摘されているのは、血圧を下げる薬や尿を出す薬などで、これらの薬には、味覚障害が起こる可能性があるといいます。

それ以外にも味覚の低下は、糖尿病や腎臓病などのさまざまな病気の合併症によって起こる場合があります。糖尿病や腎臓病などにより、腎臓の機能が低下すると亜鉛が過剰に排出されるため、味覚障害になりやすいのです(下図)。

では、味覚を感じにくくなったらどうすればいいのか。まず、口の中の乾燥を防がなければならないので、対策として、うがいをこまめにしなければなりません。また、口の中を見ると、舌の表面が白い舌苔(上皮からはがれた垢)でおおわれていることがあります。舌苔があると、味を感じにくくなることがあるので舌ブラシで舌苔を取るようにします。

味蕾をつくる働きがある亜鉛の補充も有効です。カキ、レバーをはじめ、亜鉛を多く含む食材を積極的に摂るようにします。ただし、高齢者は味覚が低下すると、濃い味付けのものを好んだり、食欲が低下するなどさまざまな弊害が生じることがあるので、自分の味覚などの変化に注意をおさおさ怠りなく!

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』監/長岡功 野村義宏

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』
長岡 功 総監修/ 野村 義宏 監修

高齢化や平均寿命が伸びた社会では、「老化」は誰もが避けられない、しかし誰もが可能な限り抗いたいテーマ。その多くは人体の「老化現象」、またそれに伴う「諸症状」として、完全には克服できないまでも、原因やしくみを知ってうまく対応すれば、症状を「やわらげる」ことや、日常生活での「影響を少なくする」こと、また「目立たなくする」ことが可能である。本書では具体的に、老化にともなう病気・諸症状の原因に言及し、その対処・対策法を解説、紹介する。中高年以降の健康と美容の悩みを楽しく読めて、一気に解決する一冊です。

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