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老化すると腰痛や膝痛、関節が変形しやすいの?変形性膝関節症が進行するとO脚に!?【図解 老化の話】

Text:長岡功 野村義宏

歳をとると、腰痛や膝痛が頻繁に起こるのはなぜ?

「朝は4本、昼は2本、夜は3本になる生き物はなんでしょう?」そう、古典的で有名ななぞなぞですね。答えは人間。赤ちゃんは4本足、子どもから大人にかけて2本足で歩いて、老人になると腰が曲がり、膝が変形して杖を突いて歩くようになる。そのため、杖を合わせて3本というわけ。

さて、腰は腰椎という5つの脊椎骨とそれらをつなぐ椎間板からできています。脊椎骨は年齢とともに変形し(椎体の辺縁から骨棘と呼ばれる骨が飛び出す)、椎間板はつぶれて“変形性腰椎症”を発症します。骨自体も弱くなって“骨粗鬆症”となり、転倒などを契機に、または老化によって自然につぶれて“圧迫骨折”に見舞われます。このような変化により、背が低くなり腰が曲がってくるわけですね。

脊椎骨の背側にある骨の管の中には、脳から下肢へつながる“脊髄神経”が通っています。その神経が、変形による狭窄によって圧迫されると、“腰部脊柱管狭窄症”になります(下図)。こうした腰椎の変形、圧迫骨折、腰部脊柱管狭窄症が悪さをして、腰や下肢の痛みが引き起こされやすくなるのです。

正常な腰部脊柱管と腰部脊柱管狭窄症

膝も無事ではすみません。膝関節は、ほぼ全体重をささえ、身体の移動時の要となる関節です。歳とともに関節軟骨は摩耗し、関節辺縁の骨から“骨棘”という骨の出っ張りが出てくるのです。関節軟骨は、主にコラーゲンやプロテオグリカンからできた“軟骨基質”と、その中に散在する“軟骨細胞”からできています。

関節軟骨は、老化にともない軟骨基質の質が低下し、酸素によって分解されてきます。軟骨細胞も機能が衰えて基質産出が間に合わなくなります。そうして最終的に軟骨が減少し、“変形性膝関節症”となるのです(下図)。この関節症が進行すると骨・関節全体にも変形をきたし、“O脚”となります。さらに変形性膝関節症になると、変形した骨自体、あるいは併発した炎症によって痛みが引き起こされます。老人になって杖を突く前に医師にかかって「転ばぬ先の杖」としなければなりませんね。

変形性膝関節症

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』監/長岡功 野村義宏

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』
長岡 功 総監修/ 野村 義宏 監修

高齢化や平均寿命が伸びた社会では、「老化」は誰もが避けられない、しかし誰もが可能な限り抗いたいテーマ。その多くは人体の「老化現象」、またそれに伴う「諸症状」として、完全には克服できないまでも、原因やしくみを知ってうまく対応すれば、症状を「やわらげる」ことや、日常生活での「影響を少なくする」こと、また「目立たなくする」ことが可能である。本書では具体的に、老化にともなう病気・諸症状の原因に言及し、その対処・対策法を解説、紹介する。中高年以降の健康と美容の悩みを楽しく読めて、一気に解決する一冊です。